中山修一著作集

著作集7 日本のウィリアム・モリス 【一部執筆完了】

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『著作集7』PDFダウンロード (62.7MB)  更新日:2023年11月17日

はじめに――著作集7の公開に際して

ここに公開する著作集7『日本のウィリアム・モリス』は、次の三つのパートによって構成される予定です。

 第一部 日本のウィリアム・モリス受容史
 第二部 富本憲吉とウィリアム・モリス
 第三部 画像のなかのウィリアム・モリス

第一部の「日本のウィリアム・モリス受容史」においては、一九世紀英国のデザイナーにして詩人であり、同時に社会主義者でもあったウィリアム・モリスの思想と実践に関連して、一八九六年から一九九六年までの没後一〇〇年間の日本におけるその受容の概略的様相を、同時代の英国の研究成果と対照しながら歴史的に記述します。

ウィリアム・モリスに関心を抱いた富本憲吉は、東京美術学校の卒業を待たずして、一九〇九(明治四二)年の二月一〇日にロンドンに上陸します。続く第二部の「富本憲吉とウィリアム・モリス」は、このふたりの生涯にわたる仕事と家族についての比較研究となります。「富本憲吉のモリス関心の萌芽」「芸術論とデザイン」「詩とカリグラフィー」「建築と絵画」、そして「社会主義と家庭生活」の五つの視点からの分析です。

最後の第三部は、明らかに版権が切れていると思われる古い資料から複製された、ウィリアム・モリスに関連する写真集です。画質は決してよくありませんが、モリスの時代の臨場感や雰囲気を直接的に表現しているものも多く含まれ、「中山修一著作集」の全巻を通じてのモリス論考に対する視覚資料としての役割を担います。「本編」と「付録」、あわせて、およそ二六〇点で構成されています。

今回は、第二部と第三部を公開します。第一部の完成には時間がかかるかもしれませんが、これから少しずつ書いてゆくつもりでいます。


二〇二一年六月一六日
夏のはじめの南阿蘇のわが小さき庵にて
中山修一

目次

凡 例
一.本文中『 』は書名、雑誌名、新聞名を示し、「 」は論文や詩、記事等の表題を表わしている。また、強調すべき固有の事象についても「 」が用いられている。
一.本文中《 》は作品名を示し、〈 〉は建物の名称を表わしている。
一.本文中の【 】は図版の参照番号を指し示している。
一.引用文および引用語句内の[ ]は本著作集の著者による補足である。