各図版の出典につきましては、以下のとおり、便宜的に略号を用いて表示します。略号の詳細につきましては、次の「二.図版出典の略号について」をご参照ください。
01.ウィリアム・モリスとジェイン・モリスの肖像 【図01-01】【図01-06】【図01-10】【図01-12】=加田哲二 【図01-02】【図01-04】【図01-05】【図01-11】=Mackail, vol. 1 【図01-03】【図01-09】=記念論集 【図01-07】=Vallance 【図01-08】=Mackail, vol. 2
02.結婚までのウィリアム・モリスの住居 【図02-01】=Mackail, vol. 1 【図02-02】=著者の個人所蔵写真
03.結婚に際して新築した〈レッド・ハウス〉 【図03-01】【図03-02】【図03-07】【図03-10】=Muthesius 【図03-03】【図03-09】=著者の個人所蔵写真 【図03-04】【図03-05】【図03-11】【図03-12】【図03-13】 【図03-14】【図03-15】=Vallance 【図03-06】【図03-16】=Mackail, vol. 1 【図03-08】=Lethaby
04.モリスと仲間たちの芸術[絵画] 【図04-01】=Mackail, vol. 1 【図04-02】=Vallance 【図04-03】=Day 【図04-04】【図04-05】【図04-06】【図04-07】=Lethaby
05.モリスと仲間たちの芸術[教会装飾とステインド・グラス] 【図05-01】【図05-02】【図05-03】【図05-04】【図05-05】 【図05-06】=著者の個人所蔵写真 【図05-07】【図05-08】【図05-09】【図05-10】【図05-11】 【図05-12】【図05-13】【図05-15】【図05-16】=Vallance 【図05-14】=Day
06.モリスと仲間たちの芸術[室内装飾と家具] 【図06-01】【図06-02】【図06-05】【図06-06】【図06-07】 【図06-10】=Day 【図06-03】【図06-04】【図06-08】【図06-09】【図06-11】 =Muthesius 【図06-12】【図06-13】【図06-14】=著者の個人所蔵写真
07.モリスと仲間たちの芸術[タイルとテーブルウェア] 【図07-01】【図07-02】【図07-03】【図07-06】【図07-07】=Day 【図07-04】【図07-05】=Vallance
08.モリスと仲間たちの芸術[壁紙] 【図08-01】【図08-02】【図08-09】【図08-10】【図08-15】 =Vallance 【図08-03】【図08-07】【図08-08】=Muthesius 【図08-04】【図08-05】【図08-06】【図08-11】【図08-12】 【図08-13】【図08-14】【図08-16】=Day
09.モリスと仲間たちの芸術[テクスタイル] 【図09-01】【図09-02】【図09-03】【図09-04】【図09-05】 【図09-11】【図09-14】【図09-15】【図09-17】【図09-19】 【図09-26】【図09-28】【図09-30】【図09-31】【図09-32】 【図09-33】【図09-37】【図09-38】=Vallance 【図09-06】【図09-07】【図09-08】【図09-09】【図09-10】 【図09-13】【図09-16】【図09-18】【図09-20】【図09-22】 【図09-23】【図09-24】【図09-25】【図09-27】【図09-29】 【図09-34】【図09-35】【図09-41】=Day 【図09-12】【図09-21】【図09-39】【図09-40】=Muthesius 【図09-36】=The Studio, vol. 2, no. 7 【図09-42】=The Studio, vol. 5, no. 28
10.モリスと仲間たちの芸術[カリグラフィー] 【図10-01】【図10-02】【図10-03】=Day 【図10-04】==May, vol. XXII 【図10-05】=記念論集
11.モリスと仲間たちの芸術[印刷と造本] 【図11-01】=Day 【図11-02】【図11-04】【図11-05】【図11-06】【図11-07】 【図11-12】【図11-13】=Vallance 【図11-03】【図11-09】【図11-10】【図11-11】=記念論集 【図11-08】=Note
12.ウィリアム・モリスの詩集 【図12-01】【図12-04】=Day 【図12-02】=Vallance 【図12-03】=Mackail, vol. 1
13.ウィリアム・モリスの政治活動 【図13-01】【図13-02】=加田哲二
14.マートン・アビーの染織のための仕事場 【図14-01】【図14-05】【図14-06】【図14-08】=Day 【図14-02】【図14-04】【図14-07】=Mackail, vol. 2 【図14-03】=Vallance
15.私家版印刷工房のケルムスコット・プレス 【図15-01】=記念論集 【図15-02】=Vallance
16.モリス家の別荘〈ケルムスコット・マナー〉 【図16-01】【図16-03】【図16-06】【図16-10】【図16-12】 【図16-14】【図16-16】=Vallance 【図16-02】【図16-07】【図16-09】【図16-17】=Mackail, vol. 1 【図16-04】【図16-08】【図16-11】【図16-13】=Mackail, vol. 2 【図16-05】=記念論集 【図16-15】=May, vol. XVI
17.モリス家後年の住居〈ケルムスコット・ハウス〉 【図17-01】=Vallance 【図17-02】【図17-05】=May, vol. XXIII 【図17-03】【図17-06】=Mackail, vol. 2 【図17-04】=Mackail, vol. 1 【図17-07】=著者の個人所蔵写真
18.ウィリアム・モリスの墓 【図18-01】=Lethaby
付録A.1987年のウィリアム・モリス・ギャラリー 【図A-01】~【図A-40】=著者の個人所蔵写真
付録B.1987年のウィリアム・モリス・ギャラリー所蔵の写真から 【図B-01】~【図B-08】=著者の個人所蔵写真
付録C.モリスとその家族に関する主要な伝記と展覧会カタログ 【図C-01】=Vallance 【図C-02】=Mackail, vol. 1 【図C-03】=Mackail, vol. 2 【図C-04】=富本憲吉(上) 【図C-05】=富本憲吉(下) 【図C-06】=加田哲二 【図C-07】=Thompson 【図C-08】=Henderson 【図C-09】=小野二郎 【図C-10】=Lindsay 【図C-11】=Marsh 【図C-12】=MacCarthy 【図C-13】=WM Gallery 【図C-14】=Parry
付録D.ウィリアム・モリスの理想とともに――遥かなるわが隣人たち 【図D-01】~【図D-09】=著者の個人所蔵写真
上記の「一.図版の出典について」におきましては、略号により各図版の出典を明示しています。略号の詳細は、以下のとおりです。
The Studio, vol. 2, no. 7=The Studio, Vol. 2, No. 7, October, 1893, Hon-No-Tomosha, Tokyo, 1995, p. 3. The Studio, vol. 5, no. 28=The Studio, Vol. 5, No. 28, July, 1895, Hon-No-Tomosha, Tokyo, 1995, p. 133. Vallance=Aymer Vallance, William Morris: His Art, his Writings and his Public Life, George Bell and Sons, London, 1897. Mackail, vol. 1=J. W. Mackail, The Life of William Morris, Vol. I, Longmans, Green and Co., London, 1899. Mackail, vol. 2=J. W. Mackail, The Life of William Morris, Vol. II, Longmans, Green and Co., London, 1899. Day=Lewis F. Day, ‘William Morris and his Art’, Great Masters of Decorative Art, The Art Journal Office, London, 1900. Muthesius=Hermann Muthesius, The English House, translated by Janet Seligman, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1987. (First published as Das englische Haus by Wasmuth, Berlin in 1904, 1905, 3 volumes.) May, vol. XVI=May Morris ed., The Collected Works of William Morris, 24 vols. Longmans, London, 1910-15, reprinted by Routledge/Thoemmes Press, London and Kinokuniya Co., Tokyo in 1992. May, vol. XXII=May Morris ed., The Collected Works of William Morris, 24 vols. Longmans, London, 1910-15, reprinted by Routledge/Thoemmes Press, London and Kinokuniya Co., Tokyo in 1992. May, vol. XXIII=May Morris ed., The Collected Works of William Morris, 24 vols. Longmans, London, 1910-15, reprinted by Routledge/Thoemmes Press, London and Kinokuniya Co., Tokyo in 1992. Lethaby=W. R. Lethaby, Philip Webb and his Work, Oxford University Press, London, 1935, first appeared as a series of articles in The Builder in 1925. Note=A Note by William Morris on his Aims in Founding the Kelmscott Press, Reprinted MCMLXIX by Photolithography in the Republic of Ireland at the Irish University Press. Thompson=E. P. Thompson, William Morris: Romantic to Revolutionary, Lawrence and Wishart, London, 1955, reprinted by Pantheon Books, New York in 1976. Henderson=Philip Henderson, William Morris: His Life, Work, and Friends, Thames and Hudson, London, 1967. Lindsay=Jack Lindsay, William Morris: His Life and Work, Constable, London, 1975, reprinted by Taplinger Publishing Company, New York in 1979. Marsh=Jan Marsh, Jane and May Morris: A Biographical Story 1839-1938, Pandora Press, London, 1986. MacCarthy=Fiona MacCarthy, William Morris: A Life for Our Time, Faber and Faber, London, 1994. WM Gallery=May Morris 1862-1938, William Morris Gallery, London, 1989. Parry=Linda Parry ed., William Morris, Philip Wilson Publishers, London, 1996. 富本憲吉(上)=富本憲吉「ウイリアム・モリスの話(上)」『美術新報』第11巻第4号、1912年2月。 富本憲吉(下)=富本憲吉「ウイリアム・モリスの話(下)」『美術新報』第11巻第5号、1912年3月。 加田哲二=加田哲二『ウヰリアム・モリス――藝術的社會思想家としての生涯と思想』岩波書店、1924年。 記念論集=モリス生誕百年記念協會編『モリス記念論集』川瀬日進堂、1934年。 小野二郎=小野二郎『ウィリアム・モリス――ラディカル・デザインの思想』中公新書、1973年。
図版のキャプションにつきましては、各図版の出典に記載されているキャプションを尊重し、原則としてそれに準拠しています。したがいまして、翻訳された記載内容につきまして、今日の研究水準に照らして若干異なる表記もありますが、当時の状況や今日に至る経緯を知るうえから、こうした取り扱いにも一定の妥当性があるのではないかと判断して、あえて手を加えていない箇所が数箇所あります。
たとえば、モリスが一八五八年に婚約者のジェインをモデルにして描いた作品のキャプションの場合です。この作品は、作者であるモリスの手を離れると、転々と所有者を渡り歩いたあと家族の手もとにもどり、モリスが没したのちの一八九八年にロンドンのニュー・ギャラリーで公開され、その後、おそらくメイの生前の意向によるものと思われますが、彼女が死去した翌年の一九三九年にテイト・ギャラリーに寄贈されます。現在この作品は、現存するモリスの唯一の油絵(イーゼル画)として、テイトを構成する四つの美術館のひとつであるロンドンのテイト・ブリテン(二〇〇〇年の改組以前のテイト・ギャラリー)において見ることができます。
問題は、この絵の作品名です。この作品は、マッケイルの伝記(一八九九年刊)の図版(イラストレイション)に使われ、そのキャプションには《王妃グウェナヴィア》と書かれてありました。そのため、近年に至るまで、この作品のキャプションには、マッケイルの伝記のなかの表記に倣って、《王妃グウェナヴィア》と記載され、王妃グウェナヴィアのアーサー王に対する不義の物語の視覚的表現の一部として、さらには、モリスの第一詩集である『グウェナヴィアの抗弁』と重ね合わせて、鑑賞されてきました。
しかし、詳細に分析すると、その絵にはトリスタンがイゾルデに贈ったとみられる小さな猟犬が描かれており、いまではそのことを主たる根拠に、トリスタンとイゾルデの悲恋の物語を主題にした作品として解釈され、《麗しのイゾルデ》という作品名で表記されることが一般的となっています。もっとも一方で、多くのこれまでのモリス研究書や評伝にあって、《王妃グウェナヴィア》の作品名が使用されて、それに慣れ親しんできた経緯も残存します。
そこで、そうした歴史的な事象に鑑みて、混乱を避けるために、この作品名を一例として、若干ですが、この「画像のなかのウィリアム・モリス」に使用したイラストレイションのキャプションにおきましては、出典の表記を一部そのまま踏襲したり、一部新たな知見に置き換えたりしていますので、そのことを、あらかじめご承知おきください。しかしながら、あくまでも詳細につきましては、主たる本文であります「ウィリアム・モリスの家族史――モリスとジェインに近代の夫婦像を探る」(著作集6『ウィリアム・モリスの家族史』に所収)における記述内容をご参照いただければ幸いに存じます。
(二〇二一年六月)