中山修一著作集

著作集9 デザイン史学再構築の現場

第三部 デザイン史学を日本へ

第四話 神戸大学表現文化研究会の発足にあたって

一九九七年、神戸大学に発達科学部と国際文化学部の二つの学部を母体として大学院総合人間科学研究科修士課程が設置され、その後引き続き後期課程(博士課程)の設置へと発展し、本年度をもって両課程の全学年にわたって大学院生が在籍するようになりました。この間わたしたち有志六名の教官は、機会あるごとに、この新設研究科にふさわしい表現文化研究にかかわる教育と研究のありかたを模索しながら、活発な意見の交換を行なってまいりました。

おりしも二一世紀を迎えるこの年、この学術領域にとってのさらなる土壌の整備と、大学院生と教官とのいっそうの知的交流の促進を願って、ここにわたしたちは、神戸大学表現文化研究会を発足させるにいたりました。

この研究会は、教員六名とその指導院生二十余名によって構成され、今後、身体文化、物質文化、視覚文化、メディア文化、音文化、文字文化、そしてテクスト文化といった人間の表現文化にかかわって相互に学術的研鑽をはかり、研究成果を発表してまいりたいと思っています。現在、会誌『表現文化研究』のこの秋の創刊をめざして、また第一回研究例会の開催に向けて精力的に準備を進めているところであります。

みなさまには、この研究会発足の趣旨をご理解いただき、今後ともご指導とご鞭撻をいただきますよう、こころからお願い申し上げるしだいです。


二〇〇一年六月六日
神戸大学表現文化研究会
代表 中山修一

(二〇〇一年)