本日は「中山修一著作集」をご訪問いただき、ありがとうございます。私は、2013(平成25)年3月31日に神戸大学を定年により退職いたしました。このウェブサイトは、神戸大学の定年退職に伴い南阿蘇(南郷谷)の小庵において執筆活動をはじめるにあたり、新たに公開するものです。全二四巻から構成されています。概略、著作集1、2、3、9(後半の第三部、第四部、第五部)、および10は、神戸大学在職中に執筆したもので、それ以外は、心機一転、この森のなかの寓居にて書きはじめたものです。別巻は、二四巻を「デザイン史・デザイン論」「ウィリアム・モリス研究」「富本憲吉研究」「周縁領域探訪」「大阿蘇に立つ」「歴史と向き合う」「モリス作品翻訳」「残思余考」の八つのテーマに分け、それぞれに三巻を配した「主題別著述総覧」となっています。
すべての巻の脱稿を目指して、引き続きこれからも、全般的に日英のデザイン史・デザイン論を土台としながら、個別的にはウィリアム・モリスと富本憲吉の研究に精進するとともに、詩歌や小説、そして随筆や写真といった未知の表現分野にも積極的に関心を広げ、加えて同郷の肥後人である高群逸枝や石牟礼道子の生き方にも寄り添ってみたいと考えています。今後の成果物は、このウェブサイトを更新しながら随時公開してゆくつもりです。それでは「中山修一著作集」をお楽しみください。
なお、本著作集の内容の一部あるいは全部を無断で複写複製(コピー、スキャン、デジタル化等)することは、法律で認められた場合を除き、著作者の権利の侵害となりますので、その場合にはあらかじめ著作者に許諾を求めてください。
最後になりますが、このウェブサイト「中山修一著作集」に関する現時点での神戸大学附属図書館および国立国会図書館の取り扱いにつきまして書き記します。「中山修一著作集」における既存の完成巻につきましては、神戸大学附属図書館の「学術成果リポジトリ(Kernel)」におきまして、PDFファイルの形式で登録・保存され、一般に公開されています。一方の国立国会図書館の「インターネット資料収集保存事業(WARP)」におきましては、開設以来そのつど更新してきました過去から現在までの「中山修一著作集」が収集・保存の対象となり、HTMLの形式により一般公開されています。もっとも、現時点では、国立国会図書館の東京本館、関西館、および国際子ども図書館の館内限定の公開となっています。こうした双方の図書館が独自に提供しています「中山修一著作集」にかかわる電子情報サーヴィスにつきましても、必要に応じてご利用いただければ幸いです。
中山修一(なかやま・しゅういち)
2010年に上海の華東理工大学美術・デザイン・メディア学部で講演を行なったおりに、聴講していた学生がいたずらに描いた似顔絵。
1948年12月、熊本市に生まれる。熊本県立熊本高等学校時代は、新聞部にて部活を楽しむ。東京教育大学農学部林学科に入学、木材工学を専攻する。学生運動の影響でほとんど授業は行なわれず、ヨット部に所属し館山と葉山で年間一〇〇日以上の合宿生活を送る。卒業に引き続き、東京教育大学大学院教育学研究科修士課程において美術学(工芸・工業デザイン)を専修する。その後、東京教育大学は移転し筑波大学となる。
1974年4月に神戸大学教育学部の助手に採用される。それ以降、講師、助教授、教授へ昇格。主としてプロダクト・デザインの実技とデザイン史の講義を担当する。組織としての教育学部は、職を得てしばらくしたのち発達科学部に改組され、さらに現在は、国際文化学部との合併により、国際人間科学部へと改称。
在職中、学内にあっては、神戸大学附属図書館副館長を務め、学外にあっては、大阪教育大学教育学部、長崎大学教育学部、国立高岡短期大学(現在の富山大学芸術文化学部)、および静岡文化芸術大学デザイン学部等で、非常勤講師として「デザイン史」の集中講義に長年従事する。また、海外においては、1995年に、ロンドンのウィリアム・モリス協会が本部を置く〈ケルムスコット・ハウス〉にて招待講演を行ない、さらに2010年には、上海の華東理工大学美術・デザイン・メディア学部に招かれて二日間の連続講演を行なう。
他方、1987-88年にブリティッシュ・カウンシル(British Council)のフェローとして、続いて1995-96年に文部省(現在の文部科学省)の長期在外研究員として渡英し、主として王立美術大学(Royal College of Art)とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)を利用して英国デザインの歴史研究に当たる。
1987年から2013年まで英国のデザイン史学会(Design History Society)の会員。2003-14年、ブライトン大学客員教授(Visiting Professor at the University of Brighton)。また、2008年に学術雑誌 The Journal of Modern Craft(Berg Publishers, Oxford)が創刊されたおりには、国際諮問委員会(International Advisory Board)の委員を務める。
2013年3月に定年により神戸大学を退職し、それ以降、阿蘇山中の庵に蟄居し、執筆活動に専念する。専門はデザイン史学。
現在、神戸大学名誉教授、博士(学術)。英国にあっては、王立芸術協会(Royal Society of Arts)の終身会員(Life Fellow)、およびウィリアム・モリス協会(William Morris Society)の終身会員(Life Member)。
訳書(共訳を含む)に、ノエル・キャリントン『英国のインダストリアル・デザイン』(晶文社、1983年)、ハワード・ヒバード『ミケランジェロ』(法政大学出版局、1986年)、ステュアート・マクドナルド『美術教育の歴史と哲学』(玉川大学出版部、1990年)、アヴリル・ブレイク編『デザイン論――ミッシャ・ブラックの世界』(法政大学出版局、1992年)、ジャン・マーシュ『ウィリアム・モリスの妻と娘』(晶文社、1993年)、およびポール・グリーンハルジュ編『デザインのモダニズム』(鹿島出版会、1997年)。
英国のインダストリアル・デザイン
ミケランジェロ
美術教育の歴史と哲学
デザイン論――ミッシャ・ブラックの世界
ウィリアム・モリスの妻と娘
デザインのモダニズム
【国内】
【英国】
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改めまして、「中山修一著作集」への本日のご訪問、ありがとうございました。
神戸大学名誉教授 中山修一