この、著作集14『外輪山春雷秋月』の第四部「日々好々万物流転(随筆集)」は、「目次」にもありますように、以下の一二話から構成されています。 第一話 二度の震災に遭って思う 第二話 蘇る過去――新聞部での大失態 第三話 南阿蘇に魅せられて 第四話 阿蘇南郷谷の温泉――地震からの復興のなかで 第五話 私の南阿蘇暮らし――生活習慣の改善と執筆活動 第六話 私の南阿蘇讃歌――庭の四季を楽しむ 第七話 ロシアのウクライナ侵攻を考える 第八話 死と向き合う 第九話 この地の水と食べ物事情 第一〇話 消滅か再生か 第一一話 実家の終幕 第一二話 病窓より 神戸大学を定年退職した私は、住み慣れた神戸の地を離れ、生活と研究の場を、以前から別荘として使っていた南阿蘇(南郷谷)の小庵に移しました。こうして新しい田舎暮らしがはじまりました。ここに述べる「日々好々万物流転」は、記憶のなかの過去の出来事、昨今の南阿蘇(南郷谷)での暮らしの様子などに焦点をあてて綴ったものです。いわば私にとりましての近年の「生活雑感」です。そのなかには、雑誌への寄稿文や集会での講演原稿も含まれており、それぞれの文の末尾に「初出」を示しています。大事な記憶が遠ざかる前に、したためておきたいと思います。
(二〇二三年中秋)