中山修一著作集

著作集24 残思余考――隠者の風花余情(上)

第三部 白雲に夢想す(短歌編)

序に代えて

この、著作集24『残思余考――隠者の風花余情(上)』の第三部「白雲に夢想す(短歌編)」は、著作集13『南阿蘇白雲夢想』の第一部「詩歌の夢の響き(詩歌集)」を継承するもので、現在、「目次」にもありますように、以下の三つの編から構成されています。

 第一編 紅紅落葉(二〇二三年/令和五年)
 第二編 白白雪消(二〇二四年/令和六年)
 第三編 昇る陽に(二〇二五年/令和七年)

一年か二年の冬休みに入る少し前に、百人一首に関する小冊子が渡され、それを暗記するのが、この高校の恒例の宿題となっていました。その冊子には、それぞれの歌につき、作者名と解説文が記載されていて、冬休み明けの新学期はじめに、上級者が和室に集まり、かるた取りに興じていました。私自身は、なかなか覚えられず、落ちこぼれ組でしたが、歌の幾つかはいまだ耳に残っており、半世紀が過ぎたいま、自分も少しつくってみようという気持ちになりました。幸いなことに、毎週NHKのEテレで、短歌の番組が放映されており、そこで提供されるテーマに従い、週三首をつくることにしました。この第三部「白雲に夢想す(短歌編)」は、私にとりましての、いわば近年の「心象風景の雑記」です。大事な残像が遠ざかる前に、したためておきたいと思います。さらに今後も続きます。

(二〇二五年初春)