中山修一著作集

著作集2 ウィリアム・モリス研究

初出一覧

この著作集2『ウィリアム・モリス研究』の第一部から第三部を構成する7編の論考の初出は、下記に示すとおりです。ただし、上梓するにあたり、形式的には用語と表記の統一を施し、内容的には新たな知見を若干補い、正確を期するために加筆を行なっています。また図版に関しましては、重複を避けるために、一部図版の差し替えと参考図版の追加を行ないました。

さらには、この著作集2『ウィリアム・モリス研究』では、各論考の配列にも若干手を加えました。その結果、必ずしも執筆順(公表順)の配列とはなっておりませんので、どうかそのことをお含みおきください。具体的には、第一部の第一章と第二章につきましては、実際に講演をしたのは「ロンドンで日本のモリスを語る」(一九九五年に講演)の方が先だったのですが、読者のみなさまの理解を助けるためには、ウィリアム・モリスその人の人生と仕事の概略についての内容を先に配列した方がよいのではないかと考え、「名古屋で英国のモリスを語る」(一九九七年に講演)を優先して第一章に配置することにしました。

また、第二部「富本憲吉の学生時代と英国留学」と第三部「『冬の時代』のウィリアム・モリス讃歌」につきましても入れ替えを行なっています。実際に執筆(公表)したのは「『冬の時代』のウィリアム・モリス讃歌」(二〇〇五-〇六年に公表)の方が先だったのですが、読者のみなさまの理解を助けるためには、富本憲吉の学生時代(一九〇四-〇八年)からはじめて、次に英国留学(一九〇八-一〇年)、そして「ウイリアム・モリスの話」の発表(一九一二年)、最後に岩村透の「ウイリアム、モリスと趣味的社會主義」の発表(一九一五年)へと続く年代順に配列した方がよいのではないかと考え、「富本憲吉の学生時代と英国留学」(二〇〇六-〇七年に公表)を優先して第二部に配置することにしました。


第一部 ウィリアム・モリス没後一〇〇周年
第一章 名古屋で英国のモリスを語る
ウィリアム・モリス没後100周年を記念して1996年にロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催された「ウィリアム・モリス」展の日本での巡回展に先立って、1997年7月18日に名古屋の株式会社国際デザインセンターにおいて行なった講演の一部。原題は「現代に生きるウィリアム・モリス」。講演会の主催はNHK名古屋放送局事業部。

第二章 ロンドンで日本のモリスを語る
‘The Impact of William Morris in Japan: 1904 to the Present’ と題して1995年8月26日にロンドンの〈ケルムスコット・ハウス〉でウィリアム・モリス協会に対して行なった講演の原稿を日本語に直したもの。英文原稿は、のちに一部内容に修正を加え、同一の表題で、Journal of Design History, vol. 9, no. 4, Oxford University Press, 1996, pp. 273-283 に収録。


第二部 富本憲吉の学生時代と英国留学
第一章 東京美術学校での学生生活と英国留学への思い
「富本憲吉の英国留学以前――ウィリアム・モリスへの関心形成の過程」『表現文化研究』第6巻第1号、神戸大学表現文化研究会、2006年、35-68頁。

第二章 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館でのモリス研究
「一九〇九―一〇年のロンドンにおける富本憲吉(Ⅰ)――ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館におけるウィリアム・モリス研究」『表現文化研究』第7巻第1号、神戸大学表現文化研究会、2007年、27-58頁。

第三章 ロンドン生活とエジプトおよびインドへの調査旅行
「一九〇九―一〇年のロンドンにおける富本憲吉(Ⅱ)――ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館と中央美術・工芸学校での学習、下宿生活、そしてエジプトとインドへの調査旅行」『表現文化研究』第7巻第1号、神戸大学表現文化研究会、2007年、59-88頁。


第三部 「冬の時代」のウィリアム・モリス讃歌
第一章 富本憲吉の「ウイリアム・モリスの話」
「富本憲吉の『ウイリアム・モリスの話』を再読する」『表現文化研究』第5巻第1号、神戸大学表現文化研究会、2005年、31-55頁。

第二章 岩村透の「ウイリアム、モリスと趣味的社會主義」
「岩村透の『ウイリアム、モリスと趣味的社會主義』を再読する」『デザイン史学』第4号、デザイン史学研究会、2006年、63-97頁。