著作集4 富本憲吉と一枝の近代の家族(下)

著者について

中山修一(なかやま・しゅういち)

1948年12月、熊本市に生まれる。熊本県立熊本高等学校時代は、新聞部にて部活を楽しむ。東京教育大学農学部林学科に入学、木材工学を専攻する。学生運動の影響でほとんど授業は行なわれず、ヨット部に所属し館山と葉山で年間一〇〇日以上の合宿生活を送る。卒業に引き続き、東京教育大学大学院教育学研究科修士課程において美術学(工芸・工業デザイン)を専修する。その後、東京教育大学は移転し筑波大学となる。

1974年4月に神戸大学教育学部の助手に採用される。それ以降、講師、助教授、教授へ昇格。主としてプロダクト・デザインの実技とデザイン史の講義を担当する。組織としての教育学部は、職を得てしばらくしたのち発達科学部に改組され、さらに現在は、国際文化学部との合併により、国際人間科学部へと改称。

在職中、学内にあっては、神戸大学附属図書館副館長を務め、学外にあっては、大阪教育大学教育学部、長崎大学教育学部、国立高岡短期大学(現在の富山大学芸術文化学部)、および静岡文化芸術大学デザイン学部等で、非常勤講師として「デザイン史」の集中講義に長年従事する。また、海外においては、1995年に、ロンドンのウィリアム・モリス協会が本部を置く〈ケルムスコット・ハウス〉にて招待講演を行ない、さらに2010年には、上海の華東理工大学美術・デザイン・メディア学部に招かれて二日間の連続講演を行なう。

他方、1987-88年にブリティッシュ・カウンシル(British Council)のフェローとして、続いて1995-96年に文部省(現在の文部科学省)の長期在外研究員として渡英し、主として王立美術大学(Royal College of Art)とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)を利用して英国デザインの歴史研究に当たる。

1987年から2013年まで英国のデザイン史学会(Design History Society)の会員。2003-14年、ブライトン大学客員教授(Visiting Professor at the University of Brighton)。また、2008年に学術雑誌 The Journal of Modern Craft(Berg Publishers, Oxford)が創刊されたおりには、国際諮問委員会(International Advisory Board)の委員を務める。

2013年3月に定年により神戸大学を退職し、それ以降、阿蘇山中の庵に蟄居し、執筆活動に専念する。専門はデザイン史学。

現在、神戸大学名誉教授、博士(学術)。英国にあっては、王立芸術協会(Royal Society of Arts)の終身会員(Life Fellow)、およびウィリアム・モリス協会(William Morris Society)の終身会員(Life Member)。

訳書(共訳を含む)に、ノエル・キャリントン『英国のインダストリアル・デザイン』(晶文社、1983年)、ハワード・ヒバード『ミケランジェロ』(法政大学出版局、1986年)、ステュアート・マクドナルド『美術教育の歴史と哲学』(玉川大学出版部、1990年)、アヴリル・ブレイク編『デザイン論――ミッシャ・ブラックの世界』(法政大学出版局、1992年)、ジャン・マーシュ『ウィリアム・モリスの妻と娘』(晶文社、1993年)、およびポール・グリーンハルジュ編『デザインのモダニズム』(鹿島出版会、1997年)。