花ー送粉者の共生 -  花の多様性の創出(進化)機構の解明

なぜ地球上には様々な花があるのか?

この問いに答えるために様々な花の形質の進化(個花・花序形態、性表現、花標、開花方向)と 送粉昆虫の行動の関係を調べています。ここでは、ツユクサやネジバナ、ハリママムシグサなどを対象種として 調査研究しています。
 また、湿地や里草地、高山帯、海岸の植物−送粉者ネットワークがどのような生物学的要因(季節性、優占度、形態やハビタットの一致) によって制限されているのかについて、帰無モデル解析を用いて研究を行っています。 これらの研究から花の多様性が生まれる仕組み、それが維持される仕組みを研究しています。
  • 送粉ネットワーク研究 左右相称花に伴う進化 花向きの進化 花序構造の進化


  • 半自然草地の多様性 -  里草地・採草地における多様性の維持機構の解明

    里草地や採草地など半自然草地は、なぜ高い生物多様性を涵養してきたのか?

    中山間地に残された棚田の畦や採草地では、現在ではほとんど見ることができなくなった植物たちが多数生育しています。 里山の重要性が叫ばれるようになって久しいですが、なぜ里山環境が多数の生物にとっての生息適地となっているのかが 完全に解明されているわけではありません。そこで、フィールドワークによる動植物の調査(分布調査や植生調査)と 景観解析を融合させることによって、希少種にとっての里山の重要性を明らかにしていきます。特に、近年世界的に問題 となっている農地の集約化(日本においては圃場整備など)や管理放棄が生物多様性を減少させるメカニズムの解明を 目標としています。研究室では、スズサイコやキキョウなどの希少植物種や近年減少傾向にあるトノサマガエルなどの カエル類、チョウ・バッタ類などを対象に研究を行っています。
  • 阪神地区の里草地研究 長野県の草原生生物研究


  • 都市生態学 -  都市における多様性の減少要因の解明

    都市の拡大は生物たちにどのような影響を与えているのか?

    都市は人によって最も開発された環境です。その都市にあって、 公園や社寺林などの緑地は生物にとって限られた生息場所となっています。 どのような公園や社寺林が高い生物多様性を有しているのかを昆虫類を指標として調べています。 また都市化の進んだ平野部では水田が多くの生物の貴重な生息地となっています。 都市化によって縮小・分断化された水田で植物や昆虫、カエルの仲間がどのように分布しているのか、またその遺伝構造が 都市化にどのような影響を受けているのか調べています。さらにハリママムシグサやツユクサといった被子植物の繁殖成功が 都市化によってどのような影響を受けているのかについても研究を行っています。
  • 都市におけるカエル類研究 植物繁殖への影響の研究


  • 河川環境における生物多様性ホットスポット

    合流点の法則

    河川の合流点は、撹乱の多い治水の難所として、古くから河川工学の現場において注目されてきました。 このため、多くの合流点は護岸され、公園などに整地されています。 しかし、撹乱は、生物多様性を維持する上で重要な役割を持っています。 撹乱の多い河川の合流点を、生物多様性維持における要所として再評価することを目的として、 広域と詳細両スケールでの研究を行っています。


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