都市におけるカエル類の減少

両生類は、水域と陸域を生息に必要とするため都市化にともなう土地利用の変化に敏感であると言われいる。欧米豪では、都市の発展に ともなうカエル・サンショウウオ類の減少が報告されている。日本では、都市は平野部に発達しているが、そこはもともと水田の広がる 場所であった。そのため、60年代以降の都市化に伴い、平野部の水田は縮小化・分断化されてしまった。研究室では、大阪平野の都市 開発の水田性カエル類への影響を調べるために研究を行っている。

都市化への敏感さの種間差 大阪平野西部の都市域からその周辺の里山域まで、多くの水田を調べたところトノサマガエル、シュレーゲルアオガエル、ツチガエルは 都市水田ではほとんどみられない。一方、アマガエルやヌマガエルは都市水田も多く見られる。この種間の違いは、それぞれの種の移動特性や変態までの期間などと関係していると仮説を立てて、その検証を行っている)。
 また、都市化のカエル類の遺伝的多様性への影響についても、GISを用いた景観遺伝学的アプローチから明らかにしようと試みている。

Tsuji M, Ushimaru A, Osawa T & Mitsuhashi H. (2011) Landsc. Urban Plan. 103:318-325.




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