花の進化と生物多様性


花を咲かせる植物‐被子植物は、陸上生態系を生産者として支えています。 花(被子植物)の多様化・繁栄は昆虫、鳥類、哺乳類等との送粉(花粉媒介)・ 種子散布における相利共生によってもたらされたと考えられています。

花は実に多様な形・色・匂いを持っています。花が多様な形質をどのように 進化させてきたのか、送粉者の行動を調べることで明らかにすることを目指しています。 また、多くの種類の花が咲き、多くの種類の送粉動物が飛ぶ群集でそれぞれが どのように関係を持ちながら暮らしているのかに興味があります。

白亜紀以降約1億年かけて成立した花(被子植物)と送粉動物の多様性は 、20世紀以降、人間活動によって著しく減少しています。 なぜ花と送粉動物の多様性は減少してしまったのか?どうしたらその減少のスピードを 遅らせることができるのか?これらの問いに答え、花が咲き乱れ、 チョウやハナバチが飛び交う光景をまもりたいと願っています。

希少種の分布


現在、多くの動植物が人間活動によってその分布域を減らしています。希少種と 呼ばれる生物は、もともと分布域の小さかったもの、人間活動によってその分布域が 著しく減少させられてしまったもの等が含まれます。希少種の分布を調べることは 現在の地球上で失われつつある環境を調べることと同義であると考えています。

希少種の分布特異性を明らかにすることで、今後のどのような環境を保全していくべき なのかについて明らかにすることを目標としています。

農業生態系の危機


私たちの研究室では、農業生態系(水田生態系)を対象に、20世紀以降、世界的に問題になっている土地利用の変化( 農地の集約化と放棄、都市化)がどのように生物多様性を減少させてしまうのか。そのメカニズムに興味をもっています。 ヨーロッパで起こっていることと日本で起こっていることが本当に同じメカニズムで説明されるのか?この問いを明らか にしていくことを目標としています。
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