都市における送粉者の減少

都市化による生物の生息・生育地の縮小化や分断化は特定の生物の減少を引き起こすだけでなく、生物間の相互作用も壊してしまう。被子植物の多くは送粉を昆虫等の動物に依存しているため、その都市集団では送粉者の不在により有性繁殖が制限されることが報告されている。

都市化が植物の繁殖に与える影響 ここでは、ツユクサやハリママムシグサを対象に人口地の増加が植物の繁殖にどのような影響を与えるのか調査している。ツユクサは、阪神地区において里山域から都市域まで分布が見られるが、それぞれの生育地において送粉者の訪花の程度を調べ、多くの都市集団において送粉者の不在が雌蕊長や雌雄離熟の程度などの花形質に影響を与えていることを明らかにした。ハリママムシグサでは、神戸市周辺の都市化に伴う森林面積の減少が本種の繁殖成功にどのような影響を与えているのか研究している。

Ushimaru A, Kobayashi A & Dohzono I. (2014) Amer Nat 184:258-267.






Valid XHTML 1.0 Transitional