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通導阻害: 樹木萎凋病における発生メカニズム

神戸大学 森林資源学研究室 黒田慶子 Kuroda, Keiko

 

概要 マツ材線虫病や北海道で見られるカラマツ,ヤナギ の 萎凋など,樹木の萎凋病は日本では数種類知られ ている.本州で問題となっているナラ枯損も糸状菌による萎凋病である. 集団的な樹木の枯損は人目につきやすく,また最近のエコロジーブームによって世間に注目される機会が近年増えてきた.これらの萎凋病の発病原因や発病機構 については研究成果が一般にはなかなか理解してもらえず,「何も解明されていない」あるいは「原因は酸性雨」と 断定されて苦慮する機会も増加している.こ こでは,病原体感染によって樹幹における通水機能がどのように損われ,萎凋に至るのか,樹幹組織 の機能阻害の面から解説したい.

仮道管のEmbolism:気泡発生の動画とアコース ティックエ ミッション(AE) 英文

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関連の研究報告

  1. Kuroda, K.: Monitoring of xylem embolism and dysfunction by the acoustic emission technique in Pinus thunbergii inoculated with the pine wood nematode, Bursaphelenchus xylophilus.   J. Forest Research 17:58–64,  2012

  2. 黒田慶子:樹木の通水機能と萎凋病.森林保護  267 P.36-38 1998

  3. 黒田慶子:樹病:病原微生物の感染戦略と樹木 の反応.木材保存, 22(4), 205-214, 1996

  4. 黒田慶子:森林保護学(鈴木和夫編著),3. 森林の活力と健全性,3.1.1樹木の構造と機能を測る.朝倉書 店,p.85-94,2004

  5. 黒田慶子:樹木医学(鈴木和夫編),2.2樹 木の構造と機能.朝倉書店,328pp,1999

萎凋病を理解するために
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