(4) 光で構造や電子的性質を変化させるオリゴピロールの開発

 必要な時、必要な場所で、任意に物質の性質や機能変換を行うにあたって、光などの物理的な刺激による分子構造の可逆制御がきわめて重要な役割を果たします。本研究において我々は、分子フォトナノテクノロジーへの研究展開を視野に入れて、まったく新しい光応答性分子の開発に取り組んでいます。アゾベンゼンは、紫外光の照射によりトランス体からシス体に変化され、さらに可視光および加熱により元に戻される性質がよく知られています。本研究ではその性質を利用して、環状構造からねじれ構造への動的変化を期待し、アゾベンゼンユニットを導入した巨大環状オリゴピロールを合成し、その光応答挙動などを調査しています。