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「研究室のミッションとビジョン」―学生へのメッセージ―

研究室のミッションは「進歩と成長」。

 学生の皆さんが、研究室・大学・社会から求められている「使命」はなんでしょうか。理学的研究の価値は、前人未到の先端領域を開拓し、科学の進歩を支える点にあります。皆さんは、研究活動を通じた学術的・社会的貢献を期待されています。そして、もっと大事なのは、皆さんが「研究を通じて成長すること」なのです。
 研究室メンバーは、研究活動を通じて成長し、行動的で、自立した研究者となることを目指します。大事なことは、挑戦を繰り返し、成長すること。そして、自分の研究を、自身の言葉で熱く語れること。自分の強みを見つけ、伸ばすこと。ともに成長し、進歩する研究室を作りましょう。

研究室のビジョンは「挑戦と創造」。

 我が国の将来に資する物質科学研究を推進します。まだ見ぬ世界へ、挑戦的なアプローチを展開します。メンバーの創意工夫によって、新しい価値を創造します。問題解決型人材・アイデア発想人材を育てる研究室にします。挑戦し、創造する研究室を作りましょう。

水脈を、深く掘る。

 物質開発の研究では、合成と物性評価が両輪となります。七転八起、現場では試行錯誤の連続です。共に頑張りましょう。
 そうした研究生活のなかで、新発見に遭遇したときの感動は、生涯に残る経験となります。ぜひ皆さんと、発見の喜びを分かち合いたいと思います。しかし、これは「水脈を深く掘る」ことなしには到達し得ません。まずは自分の研究を、誰よりも深く掘り下げることです。そこには、異分野に連なる源泉が見えてきます。こうした物質科学研究はきわめて分野横断的で、無機化学・有機化学、そして熱力学や固体物理の考え方も必要です。自分の研究を基盤とし、深い専門知識を持つと同時に、幅広い視野を持つことが必要です。

必要なのは、一歩前に踏み出す力。

 研究室では、自分で考え、創意工夫し、積極的・自律的に行動することが強く求められます。研究室で学ぶべきことは、第一には研究の方法論ですが、それだけではありません。職業人に必要な、以下の基礎力を養成します。
@ コミュニケーション力(日本語・英語力、論理構成)
A 問題解決力(アイデア発想、図解思考)
B 科学基礎力(化学から科学へ)
 勉強会を随時開催し、内外のセミナー、学会等への積極参加を奨励します。

理学研究の発展と、メンバーの成長を目指して。

 理学研究の発展に資すること、メンバーの成長に資すること、そして日本の将来に向け、良い人材を輩出すること。これらが、研究室の重要な使命です。学生の皆さんは、「礼儀」と「自律」、そして常に「プラス思考」を。
 卒業後、数十年経ってからも、「神戸大で学んでよかった」と言われる研究室を作ります。