金属錯体系イオン液体
「すべてを液体に」―ユニークな機能性液体の実現―
金属錯体の塩は、通常きわめて高融点です。ところが私たちは最近、これらの物質を「液化」することに成功しました。これらは「金属を含む新しい機能性液体」です。イオン液体としての特性と、金属イオン由来の機能性を併せ持ち、磁場による物性制御、光電子移動、気体吸着、特異な化学反応など、通常の液体では実現不可能な優れた機能性を発現します。従来、電子機能性物質としては、固体や薄膜が主な研究対象でした。私たちは、液体を用いた新しい物質科学の領域を開拓します。「すべてを液体に」を合言葉に、「魔法の液体」「非常識な液体」の開発に日夜取り組んでいます。
文献:"金属錯体の液化に挑む:イオン液体科学に基づく多彩な展開", 持田智行,
イオン液体研究会サーキュラー, 2019, No. 13, 19–24.
"ユニークな機能を持つ有機金属系イオン液体の開発", 持田智行, 日本結晶学会誌,
2016, 58, 2–6.
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イオン液体含有配位高分子: 分解融解と急冷ガラス化
2核混合原子価イオン液体: 溶媒極性が温度変化
光でイオン液体をゲル化する: イオン液体ゲルのオンデマンド形成
光誘起ベイポクロミズムの発現
結合異性化を起こすイオン液体
液体で創る配位高分子:架橋分子で次元性を制御する
光と熱でイオン伝導度を自在制御
光と熱でハイブリッド高分子を可逆構築
多孔性配位高分子のオンデマンド合成:光で創るアモルファスMOF
サーモクロミズム・蛍光発光・化学反応性を示すイオン液体
アザクラウンエーテル系イオン液体
サーモクロミック磁性イオン液体
光で固まり、熱で液体に戻る ―イオン液体と配位高分子の転換―
スピンクロスオーバーイオン液体
ガス・蒸気に応答する多機能液体 ―色や磁性が変化―
化学反応するイオン液体 ―ガス吸収で固液変化を起こす―
特異な磁性流体 ―磁場で固まり方が変化―
フェロセンをイオン液体化 ―多様な錯体が液体に―
溶媒検知フィルム ―色で溶媒・湿度・温度を判別―