研究紹介
水熱合成法の研究と物質探査
水熱合成とは…
水熱合成法は地球化学的な物質生成を模倣してはじめられた合成法で、比較的低温で物質を合成するのに有効な方法です。この方法はかなり古くから用いられている方法ですが、まだまだ、開発の余地の残った非常に有用な物質合成法であると私達は考えています。
水熱合成法では,溶液として調製された出発物質を下図のようなオートクレーブ(一種の耐圧容器)に密閉し,加熱による自己発生圧下で反応させて物質の合成を行います。
autoclave

意図的な物質合成をめざして…
私達は、新しい試みとして,「水熱処理過程で出発物質の一部を固相として残し、その固相の構造によって生成物の構造を制御する方法」について調べています。下の図はこのことを模式的に表したものです。最近、実際にそのような例を見出すことにも成功しています。以下にその例を示します.
Hydrothermal Synthesis

水熱合成法による合成例
下の図は最近見出された例で,私達の提案する合成方法が非常に有効な方法になり得ることを示すものです。従来の合成法では非常に過酷な条件(5万気圧・873 K)が必要な合成を、私達の方法では著しく緩和された条件(ca. 10気圧, 453 K)で実現することができます。
Stracture Inheriting Solid State Reaction
下の図は出発物質の形式組成が同じでも,その構造の違いによって,生成物が変化する例を示します。
Hydrothermal Synthesis
Hydrothermal Synthesis
Hydrothermal Synthesis

新たに見出された物質の構造例
さらに、水熱合成時の生成プロセスを詳細に調べると、下の図のようなこれまで見落とされていた新たな物質が見出されることもしばしばあります。このような物質の構造を調べ、将来の機能性物質の候補の探査も行っています。
Hydrothermal Synthesis

Professor M. Stanley Whittingham
これらの研究は、米国ニューヨーク州立大学(ビンガムトン校)のWhittingham教授との共同研究として行われています。
Prof. Whittingham
Professor M. Stanley Whittingham
Prof. Whittingham giving a lecture at Kobe University in 2003.
Whittingham教授は世界で最初にリチャージアブルなリチウムイオン電池を開発された研究者であり、近い将来、ノーベル賞を受賞される可能性のある研究者の一人です。

研究紹介一覧
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巨大モリブデン酸クラスターを用いた物質設計 低温固体反応の研究 水熱合成法の研究と物質探査 巨大化学種を利用した低温物質合成の研究
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