研究紹介
ポリ酸って何??
ポリ酸とは、いわばタンパク質の無機化学版にあたるもので、1つの分子に金属原子と酸素原子を大量に含み、独特の形状をしているものを指します。
一部の金属原子は下図のように正八面体の重心に位置を取り、その頂点部分に6つの酸素を結合させることができます。この場合、赤い球が酸素原子(O)、青い球が金属原子(M)にあたります。
polyoxometalate
頂点にある酸素は、もう一つの同じ八面体と2通りの方法で結合することができます。一つは八面体の頂点共有、もう一つは稜共有です。
もちろん、ほとんどの場合で金属原子は+IIIからVIくらいまでの酸化数なので、酸素原子(酸化物イオンO2-)によってこれらの構造体は全てアニオン(陰イオン)となります。
上の図のような形をした化学種を含む溶液について、pH条件などをうまく調節すると、この分子が集まって縮重します。その結果、下の図のような頂点共有と稜共有を複雑に組み合わせた、より大きな化学種が生成します。
Keggin"
これはもうポリ酸です。下の図ではでは、中心部分にオレンジ色の四面体が存在しますが、ここにはM以外の原子(つまり、他の正八面体の重心にある金属とは異なる原子)が入っています。このように、巨大化学種に別の原子を取り込ませることも可能です。

なぜモリブデンじゃないといけないの??
上記のような巨大な化学種を作る金属(青い球に当たる原子)にはバナジウム(V5+)やタングステン(W6+)など数種類が挙げられますが、私たちはその中でモリブデン(Mo6+)を取り上げて合成を試みています。ポリ酸についてのより詳しい説明は、東京工業大学の山瀬教授の研究室にあります。
モリブデンを含む巨大化学種については、当研究室のホームページ>『巨大モリブデン酸クラスターを用いた物質設計』をご覧ください。こちらで紹介されている、モリブデン原子を100個以上持つような非常に巨大な化学種は、他の元素(バナジウムなど)では合成が難しいのです。当研究室でモリブデンを使用しているのは、このような巨大な化学種を研究対象としているためです。
当研究室では、このようなモリブデンの巨大化学種同士を、別の分子を用いて結合させることを目的としています。つまり、大きな塊と大きな塊を紐でくっつけて、より大きな塊を作ろうというのです。塊1個でも十分な機能を持っているので、それをたくさん組み合わせるともっとおもしろい物ができるだろう、というコンセプトのもと研究を行っています。
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