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柴田明穂 国際法研究室 Kobe Unversity International Low Website
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2008年度:生物多様性条約カルタヘナ議定書第4回締約国会議(ドイツ・ボン)

 

【世界最大級の国際環境会議へ参加!】

国際協力研究科国際法プログラム所属の上田はるか(M2)と藤井麻衣(M2)が、2008年5月12〜16日まで、ドイツボンで開催された4回生物多様性条約カルタヘナ議定書締約国会議(COP-MOP4)に、海外実習の一環として参加してきました。

生物多様性条約の下に作られた遺伝子組み換え生物の国境を越える移動の規制を定めたカルタヘナ議定書の締約国が2年に1回集まり、この議定書にまつわる様々な問題についてこの締約国会議で話し合われます。この会議には世界各国からの代表団に加えて多くの国際環境NGOが参加します。


(美しいライン川の流れる環境都市ボン)


【迫り来る期限:どうなる交渉!?】


(全体会合:日本代表団が発言しています)
私たちは、昨年からこの議定書の下に設置された「責任と救済」会合に参加し、議論をフォローしてきました。この議題は、COP-MOP4の最重要課題であり、4年間の成果物を採択することが目指されていました。しかし交渉は難航しており、合意に達して新しい国際法ができるか、交渉決裂か、あるいは交渉期限延長か、会議前は何も予想できない状況でした。

 

【交渉のダイナミズムを体感】

「責任と救済」に関する交渉については、コンタクト・グループと呼ばれる小グループで議論されました。豪華なシャンデリアのもとで繰り広げられる白熱した交渉では、国家の「建前」が交錯し、時に「本音」が顔を出す場面さえありました。諸国間の溝、NGOによる消極派国家へ働きかけなどが垣間見られ、これぞまさに「国際交渉のダイナミズム」!

(コンタクト・グループでの交渉の様子)

 

【交渉の決着は、名古屋で!!】

結局、今回の会議で成果物を採択することは見送られ、新たな国際法の誕生に立ち会うことはできませんでした…。ですが、国際法形成の際の各国間の意見の対立と調整、合意に向けた「過程」を目にするという貴重な体験をすることができました。この交渉は2年後の2010年に名古屋で開かれるCOP-MOP5まで続けられます。日本で開催されるということで、これからもこの交渉には注目し続けていきます。


 
 
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