倉橋の講義の概要
理論の不完全性,決定不能性,分離不能性
第1不完全性定理は「十分な算術 \(T\) を含む無矛盾な RE 理論は不完全」という主張であるが、このような条件を満たす理論 \(T\) は本質的不完全であるといわれる。理論の本質的不完全性は決定不能性や分離不能性の概念と密接に関わっており、こうした話題に関する研究が1950年代から1960年代にかけて盛んに行われていた。本講義では Tarski-Mostowski-Robinson による弱い算術の理論 \(\mathbf{R}\) の本質的不完全性を始めとする、理論の不完全性・決定不能性・分離不能性に関する古典的な諸結果について紹介する。また、これらを再検討しようとする最近の試みについても紹介する。
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