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柴田明穂 国際法研究室 Kobe Unversity International Low Website
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2008年度:バーゼル条約第9回締約国会議の視察(2008年6月23日〜27日)

 

国際協力研究科国際法プログラム所属の奥村舞(M1)と藤原扶紀(M1)は、海外実習の一環として、バリ島にある国際会議場(BICC)で開催された、有害廃棄物の規制に関するバーゼル条約第9回締約国会議にオブザーバーとして参加しました。

 

今回の会議では主に、財政、バーゼル条約地域センター、船舶解体、法的事項(特に17条5項の解釈について)、技術的事項、条約のレビュー等の内容が話し合われました。その中でも、私たちは17条5項の解釈問題をフォローしました。

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(全体会合の様子)


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(NGOとして参加しました)
2日目の全体会合で法的事項、特に17条5項の問題に関する各国の意見が表明された結果、各国の意見の対立が再確認され、作業部会が開かれることになりました。3日目に開かれた作業部会では、「公開作業部会第6回会合で提案された決議案」に基づき、パラグラフ毎に区切って議論されました。時間的制限もあり、合意に時間がかかりそうなパラグラフについては後回しにしながらも、EUの柔軟な態度もあり比較的多くの点で合意に至ることができました。

 

次に、これから採択される「解釈決議」(17条5項の解釈が不明確であるために、その解釈を締約国決議の形で採択し、締約国間で一致した理解を得るためのもの)の採択形式について話し合われ、「コンセンサス採択」が提案されました。しかし、ここで断固として反対を表明する国が現れ、一向に審議が進まなくなりました。そこで、今回の審議の結果としては、ブラケット(交渉文書に付いている[ ]のことで、合意ができていないことを示す)を付けたままの形で進展状況を記して全体会合で報告し、問題は次回の第7回公開作業部会で引き続き審議されることに決定しました。
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(非公式な協議の様子)


今回初めて国際会議に参加して、会議の本質的な議論は全体会合ではなく、作業部会や非公式な協議で行われている事を知りました。そのような流動的な会議をフォローするために、私たちは常にアンテナを張って情報収集に従事することを要求されました。また、今回の法的事項の作業部会で見られたように、審議の途中で突然参加してきて反対を表明し会議の進行を妨げる国に驚きましたが、それもまた主権国家の権利であり、これを他国が拒否することが出来ないことも締約国会議の面白さであり難しさであると感じました。


 
 
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