エイジングにおける容姿の変化として、髪では「白髪」や「うねり」が発生し、「ハリ」「コシ」を失うことが、肌では「しみ」、「しわ」や「たるみ」を発生していくことが知られています。
そこで、本講座では、科学技術イノベーション研究科で多くの実績を有する先端グリーンケミカル技術を活用して生産した化粧品素材を用いて、これらエイジングによる容姿の変化を改善できる技術を開発し、製品化を目指しています。
- 髪のエイジングによる「ハリ」「コシ」「うねり」を改善する新しいバイオコンジュゲーション技術の開発
- 天然発色技術による、「白髪」を改善できる次世代染毛技術の開発
- 薬効も認められる香醋から発見された機能性成分による「しわ」「たるみ」、さらには環境汚染で誘発される「敏感肌」「アトピー性皮膚炎」を改善する技術の開発
そして、これらの新技術に加えて、容器開発、販売戦略、ブランディングに至る幅広い分野での新技術を開発すると共に、アントレプレナー精神により新たな市場を開拓するなど、社会科学系の学問領域ともコラボレーションして、文理融合による新たな価値創造に取り組んでいます。
バイオコンジュゲーションの応用による髪質改善技術の開発
シーズカテゴリ
ライフサイエンス
研究キーワード
ヘアケア、髪質改善、縮毛矯正
研究内容
毛髪のエイジングによる「ハリ」「コシ」「うねり」を改善する新しいバイオコンジュゲーション技術による新成分を発見しました。そして、この成分の毛髪に対する作用機序や生産技術の研究を行っています。
期待される効果や応用分野
本技術により、極めて強い縮毛であるアフリカンヘアをストレートに出来ることを確認しています。これは単にうねりをとるだけでなく、毛髪のねじれも改善しました。更に、本技術はヘアケア製品に応用することで、今まで出来なかった希望の髪質や髪型に調製できる可能性があります。本技術は世界の頭髪化粧品へ革命を起こしうるものであると期待しています。

天然発色技術による、「白髪」を改善できる次世代ヘアカラーリング技術の開発
シーズカテゴリ
ライフサイエンス
研究キーワード
ヘアカラー、天然発色、生反応
研究内容
毛髪のエイジングによる「白髪」を改善する新しいバイオ技術によるヘアカラーリング技術を開発しています。この開発している技術は、生体で起こっている発色反応を応用したものであり、既存のヘアカラーよりも安全で簡単便利なカラーリング技術を目指しています。そして、この新技術に加えて、SGDsに配慮したバイオプロダクションによる染料や触媒の生産、ヘアカラー用の容器開発にも取り組んでいます。
期待される効果や応用分野
SDGsの達成に向けて、欧米では、1. Feel、2. Natural、3. Biodegradable、4. Sustainability、5. Animal origin-free、6. Cost-effectivenessという6つの要素を満たさない化粧品成分を使用しないという傾向にあり、この傾向は世界中に広がってきています。我々が目指す技術は、この6項目を満たすものであり、次世代のヘアカラーリング技術として期待されます。

新奇機能性成分フレグライド-1のスキンケアへの応用技術の開発
シーズカテゴリ
ライフサイエンス
研究キーワード
フレグライド1、スキンケア
研究内容
古くから健康に効果があるとして食されてきた香醋から発見された機能性成分フレグライド1が、PPAR-γリガンド活性やARE活性を有することを見出してきました。最近、フレグライド1が、XRE不活化活性を有し、ArteminやMMP-9の発現を抑制することを発見しました。そして、ケラチノサイトやファイブロブラストを用いたフレグライド1のRNA seqを行った結果から更なる機能が期待されており、フレグライド1の機能解明に取組んでいます。加えて、日本の黒酢からも発見されており、黒酢メーカーの協力を得て、フレグライド1の合成経路の解明に取組んでいます
期待される効果や応用分野
加齢による「しわ」「たるみ」、更には大気汚染で誘発される「敏感肌」「アトピー性皮膚炎」を改善する技術の開発を目指しています。伝承的に効能効果が期待されていた香醋から発見された機能性成分であるフレグライド1またはフレグライド1を含有する黒酢エキスは、化粧品原料として高付加価値が期待されています。
