自身が社会の一員であることを自覚し、グローバル社会、途上国問題について身近な課題として自主的批判的に考える姿勢を身に着けてほしいと願っています。学際的に広く様々な知見を学びつつ、常に現実社会の実態を把握しながら実践的に関わる力と意欲を養います。そうした学びは一人ではむずかしく常に仲間、他者と共同しコミュニティを通じて実現できるものと考えていいます。
ゼミ活動
途上国関連の比較政治、開発関係の英文テキストを皆で輪読することが基本です。グローバル・サウスの実態、実践、理論を学びます。さらに社会科学古典や社会思想に関する課題文献を定期的に読み、皆で議論しながら新しい知見を学びます。条件がそろえば海外現地調査も出かけ研究成果をまとめる作業も行います。
2025年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
D.Acemoglu & J.Robinson,2013, Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity and Poverty, Profile Books Ltd.(邦訳『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』上・下 ハヤカワ文庫)
Stephan Haggard & Robert Kaufman, 2008, Development, Democracy and Welfare State: Latin America, East Asia and Eastern Europe, Princeton University Press
・社会科学古典文献 テーマ:個人と社会
プラトン『国家』
ヒューム『人性論』
スミス『道徳感情論』
マルクス『ドイツ・イデオロギー』
ニーチェ『道徳の系譜学』
ロールズ『公正としての正義 再説』
2024年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
H Veltmeyer & P. Bowls, 2022, The Essential Guide to Critical Development Studies, Routledge
・社会科学古典文献 テーマ:多様性について考える
渡辺 靖『〈文化〉を捉え直す――カルチュラル・セキュリティの発想』岩波新書 2015
本橋 哲也『ポストコロニアリズム』 岩波新書 2005
マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』講談社学術文庫– 2010
『コーランI』藤本勝次, 伴康哉, 池田修 (翻訳) 中公クラシックス
杉山正明『遊牧民から見た世界史』日経ビジネス文庫 2011
・実践プログラム
2025年3月13日、滝川第二中学校での本年度最後の国際教育実践授業をさせていただきました。「多様性」をテーマとして中学生8グループが、人種、LGBTQ、価値観などさまざまな課題を創造性豊かに報告してくれました。それらに大学生がコメントをしたあと、グループ討論をしました。今回も中学生の自由な発想と柔軟な感性に感心させられました。今年度5回にわたり中学生と一緒に国際、多様性をテーマに学んできました。大学生にとっても新しい気づき、学びが沢山ありました。滝川第二中学のみなさん、そして竹森康祐先生に感謝いたします。
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・海外研修



2023年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
United Nations, 2023, The Sustainable Development Goals Report 2023: Special Edition - Towards a Rescue Plan for People and Planet -, United Nations
Arturo Escobar, 2020, Pluriversal Politics: The Real and the Possible, Duke University Press
・社会科学古典文献 テーマ:民主主義
小熊 英二 『社会を変えるには』講談社現代新書 2012
ウェーバー『権力と支配』講談社学術文庫
アレント『政治の約束』ちくま学芸文庫
フロム『自由からの逃走』岩波現代文庫
オルテガ『大衆の反逆』ちくま学芸文庫
シャープ『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科書』ちくま学芸文庫
ニーチェ『道徳学の系譜』光文社文庫
・夏のゼミ合宿


noteに関連記事「火と人間」を投稿しています。
2022年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
Christian Barry and Thomas Pogge eds. 2006, Global Institutions and Responsibilities: Achieving Global Justice, Blackwell Publishing
・社会科学古典文献 テーマ:正義
神島裕子『正義とは何か―現代政治哲学の6つの視点』中公新書2018
アリストテレス『ニコマコス倫理学』岩波文庫
ルソー『社会契約論』
・海外研修
カンボジア National University of Management(NUM)との環境問題・教育問題に関する共同プロジェクト
神戸大学国際人間科学部ホームページの記事
2021年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
Jan Niederveen Pieterse, 2018, Mulitpolar Globalization: Emerging Economies and Development, Routledge
児玉谷史朗, 佐藤 章, 嶋田晴行 (編集)『地域研究へのアプローチ:グローバル・サウスから読み解く世界情勢』ミネルヴァ書房 2021
・社会科学文献 テーマ:個人と社会
吉田 徹『アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治』講談社現代新書2020 5/25
ギュスターヴ・ル・ボン『群衆心理』講談社学術文庫1993
ヴォルテール『寛容論』光文社文庫
アレント『人間の条件』ちくま学術文庫
バウマン『コミュニティ』ちくま学術文庫
2020年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
Arturo Escobar, 2017, Designs for the Pluriverse: Radical Interdependence, Autonomy, and the Making of Worlds, Duke University Press
・社会科学文献 テーマ:民主主義
森 正稔 『迷走する民主主義』2016 ちくま新書
プラトン『国家』岩波文庫 上下
JSミル『代議制民主主義』岩波文庫
リップマン『世論』岩波文庫 上下
フロム『自由からの逃走』岩波現代文庫
シャープ『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科書』ちくま学芸文庫
2019年度ゼミ活動
・開発研究輪読テキスト
Mark Duffield, 2018, Post-Humanitarianism: Governing Precarity in the Digital World , Polity
Damien Kingsbury, Jeo Remenyi, John McKay and Janet Hunt, 2004, Key Issues in Development, Palgrave
・社会科学文献 テーマ:社会変革
小熊 英二 『社会を変えるには』講談社現代新書 2012
ルソー『社会契約論』光文社古典文庫
ルフェーブル『1789年―フランス革命序論』岩波文庫
マルクス『共産党宣言』岩波文庫
EHカー 『ロシア革命:レーニンからスターリンへ1917‐1929年』岩波現代文庫 2000
ハンナ・アレント 『革命について』ちくま学芸文庫
・海外研修

学外活動
大学外や市民団体その他での教育にもかかわっています。それぞれが社会的な認識を深めてさまざまな対話を重ねていくことが大事なことだと考えています。
- 2025年6月28日
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アセアン外交
姫路で「アジアと世界をリードするアセアン」と題し、変動するアジアの国際環境の中でアセアンの取り組む外交の意味についてお話ししてきました。中国や米国、ヨーロッパ諸国が積極的に関与をするようになった東南アジア地域で、大国の利害に左右されず地域が主導して対話的国際秩序を築いていこうとするアセアン共同体の外交的取り組みは、ウクライナ、ガザ、イラン等武力紛争が進行している時代にこそ意味を持っていると思われます。熱心で関心の高い参加者との意見交換も有意義なものでした。
- 2025年5月17日
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アジアの安全保障
神戸の市民団体にて「東南アジア外交と中国」と題して、近年のアジアにおける安全保障状況について話をしてきました。米国と中国が対立を深める中、東南アジア諸国で作るアセアン共同体が「アセアンインド太平洋構想」AOIPを提唱するなど、独自の外交を展開しています。違いを超えて武力にたよらず対話と協調を通じ共存と安定を実現しようとするアセアンの取り組みから学ぶ点が多くあります。
- 2025年4月22日
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ミニ・セミナーをしました
スズキ自動車現地法人Suzuki Next Bharat(於ベンガルール)で、社会課題を農業、金融、IT等のビジネスを通じて解決を目指すスタートアップ事業の支援活動に従事する生水口翼氏と、京都西陣織の株式会社細尾で平安期以来の伝統を引き継ぐ染め職人をしながら社会の在り方や人々の生活を探究する高松秀徒氏に来ていただきミニ・セミナーを開催しました。海外での事業支援、日本での伝統産業の維持と、一見全く異なる仕事の背景に、おふたりの現状社会に対する問題意識と強い改善意欲とが共通して感じられる興味深いお話でした。
- 2025年2月27日
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JICA小笠治輝氏によるセミナー開催
2025年2月27日にゼミ卒業生で現在JICAモザンビーク駐在員の小笠治輝さんに大学に来ていただきセミナーを開催しました。JICAでこれまでのかかわってこられた業務や、JICAモザンビークが進めるさまざまなプロジェクトについてお話しいただきました。援助事業の意義や課題だけでなく、小笠さん自身の仕事にかける思いなども語っていただきました。春休み期間で参加学生は多くありませんでしたが、たくさんの質問が出て約3時間にわたり活発な議論が展開しました。
小笠治輝氏 現地での業務の様子 - 2025年1月25日
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日本被団協ノーベル平和賞受賞を喜び合う市民のつどい
日本原水爆被爆者団体協議会(被団協)が2024年ノーベル平和賞を受賞したことを記念し、2025年1月25日に市民主催で「日本被団協ノーベル平和賞受賞を喜び合う市民のつどい」が開かれました。音楽演奏、被爆者・被爆二世の方のお話に続き、私も「核廃絶への市民社会の役割」と題して短い講演をしました。多くの方が集い、受賞をお祝いし、あらためて草の根活動の大切さをとらえ直す良い機会となりました。
- 2024年10月26日
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全国唯研シンポジウム
10月26、27日、東洋大学白山キャンパスで開催された全国唯物論研究協会第47回研究大会におけるシンポジウム「“ポスト・グローバリズム”時代の暴力と抵抗-帝国主義の復活」のパネラーの一人として、「“グローバル・サウス”の矛盾と抵抗」をテーマとする研究報告を行いました。経済学専門の他のパネラーや社会学、思想など多様な領域の専門家との、現在のグローバル社会の理解をめぐる議論に参加をしてきました。
唯物論研究協会 第47回総会・研究大会(東洋大学)
- 2024年10月12日
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東南アジア学会中四国例会
10月12日に広島大学東千田キャンパスで開催された東南アジア学会中四国例会において、藤原直樹氏(PD学術研究員)研究報告「“清潔と緑”の都市政治−フィリピン・パシッグ川の都市環境統治性に着目して」に対するコメンテーターとして議論に参加をしました。経済自由化とともに進められる都市開発が新しい倫理形成と低所得者層排除を生んでいる現実を論じた興味深い研究でした。
- 2024年9月18日
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フィリピン大学労働問題国際セミナー
2024年9月18日、フィリピン大学ディリマン校の主催する国際セミナーに参加してきました。南アフリカの研究者Shaun Ruggunan教授が“Comparing the Labor Market for Seafarers in South Africa and the Philippines”と題する講演を行い、Aragtas Amante UP名誉教授がコメントを行い、その後フロアを交え討論を行いました。多くの船員を世界に排出する両国の労働状況の比較とそれが労働界に与える影響を論じる興味深いセミナーでした。
- 2024年9月16日
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フィリピン バギオを訪問
2024年9月16日、マニラから北方にバスで6時間ほどのBaguioを訪問しました。戦前から日本人労働者が多く移民し、太平洋戦争末期には日本陸軍第十四方面軍の総司令部がおかれた壮絶な戦闘が繰り広げられた地でもあります。「北ルソン比日友好協会」のArnel Cabanisas所長から戦中戦後の在比日本人の境遇、また今日に至るまでのフィリピン・日本の友好関係についてお話を伺いました。
Cabanisas所長と バギオ市にある日本兵慰霊碑 - 2024年7月18日~20日
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2024年7月18~20日にフィリピンのマニラ(フィリピン大学)で開催された2024 SEASIA Biennial Conference に参加をしました。Labor Regimesをテーマとするセッションで、Philippine Labor Regime: State and Neoliberal Capitalismと題する報告をし、他の研究者、実践家との意見交流を行いました。
- 2024年5月16日
- 神戸市シルバーカレッジにて「ASEAN」に関する講義をしました。自然条件、文化土壌、価値観、政治経済において多様性が混在する地域で、「共同体」としての一体化を目指す意義についてお話ししました。
- 2024年2月7日
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核兵器問題について市民団体で話題提供をしました。
核兵器廃絶に取り組む平和団体において、国際核兵器管理体制の矛盾と「核兵器禁止条約」の意義について話題提供をしました。核兵器の非人道性を市民の視点から訴える「核兵器禁止条約」が、国家利害や国家安全保障論に絡み取られない新しい倫理を一般化してゆく可能性について整理をしました。 - 2024年1月20日
- アジア・アフリカ研究所主催シンポジウム「ガザ・ウクライナ等の虐殺・戦争を超えて―非軍事の人類社会を展望する」において「核管理体制の矛盾―ロシアのウクライナ侵攻の問いかけるもの」と題する報告を行いました。同タイトルの論説(『アジア・アフリカ研究』第63巻第4号2023年)の内容を踏まえながら、その後展開した状況を加えつつ、核兵器管理に関して異なる視点からの整理を行ったものです。不安定化するグローバル秩序の中で、新しい価値・枠組みに基づくアプローチが必要だとの観点から、「核兵器禁止条約」「非核兵器地帯条約」の意味について問題提起を行いました。
- 2023年10月15日~28日
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Université Paris Citéの招聘研究員としてフランスに滞在しました。期間中にAnne-Sophie Bentz教授らと研究交流をする一方、Philippine Labor Regimeと題する研究報告を行いました。ヨーロッパでアジアの問題を考える貴重な機会となりました。
noteに関連記事
「フランス熱」、
「フランスのカフェ文化」、
「芸術の都 パリ」 を投稿しています。
- 2023年8月6日
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神戸大学国際人間科学部において、”私のミッション”をテーマとする「シンポジオン」(=おしゃべり会)を開催しました。
シンポジオン「私のミッション」(社会活動ページ)
- 2023年7月19日
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近畿大学附属高等学校で「グローバル社会と共生」と題して出張講義をしました。
近畿大学附属高等学校ホームページ
- 2023年6月27日
- 神戸学院大学現代社会学部の社会防災特別講義で「ソーシャル・ビジネス活動―学生・開発・市場」と題する講義を行いました。
- 2023年5月26日
- 神戸市シルバーカレッジにて「ASEAN」に関する講義を行いました。