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(1)コーヒーとは
(2)コー ヒー栽培:育苗の基本 
(3)沖縄における栽培の課題


1)コーヒーとは (まとめ:神戸大学農学部 金田晴希)

  a) 種類と品種
  Rubiacease(アカネ科)coffea属の樹木
アラビカ 種 (Coffea arabica)
 ・病気に弱く、栽培条件は厳しい
 ・収穫量が少ない
 ・高品質なコーヒー

カネフォラ種 (Coffea canephora)
 ・病気に強い
 ・収穫量が多い
 ・インスタントなど



   沖縄ではすべてがアラビカ種
   栽培品 種は多様
   下図:UCC  コーヒーの植物学 https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/plant.html より引用

主なコー ヒー生産国:南緯北緯25°の範囲の中南米、アジア太平洋、アフリカ地域に集中
生産上位国:ブラジル、 ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピア
下図:コーヒーベルトの範囲 小川珈琲 珈琲図鑑より引用 
https://oc-specialtycoffee.com/enjoy/knowledge.html

世界地図

  
 b) 栽培環境



 c)開花と結実
  • コーヒーの開花は、乾期の後の雨期の到来(降雨)により開始する。雨期が明確な地域では一斉開 花になる。
  • 2021年、沖縄の名護市付近で4月21〜23日ごろにまとまった降雨(グラフ:青い 棒、オレンジ色は気温、名護のアメダスデータよりが あり、5月5日ごろから開花が始まった。しかし、沖縄では乾期と雨期がはっきりしていないので、同 じ枝で も時期がずれて開花が起こり、実が熟す時 期もまちまちになる。



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2) コーヒー栽培:育苗の基本 三本木一夫 21 Mar 2021

コー ヒー栽培の基礎知識


沖縄のコーヒー栽培の歴史
• 1878(明治11年) 榎本武揚 インドネシアのコーヒーを小笠原に試植。Typicaか。
• 1891(明治24年) 朝武士干城 沖縄で試験栽培開始。小笠原から。今帰仁と本部の境界、農会の試験場 に て。
• 1910(明治43年) 田代安定 沖縄八重山島 
• 1934(昭和9年)   木村珈琲店(現キーコーヒー)東村慶佐次で、珈琲栽培農場。 
• 1968(昭和43年) 和宇慶朝伝 浦添にて。ブラジルよりMundoNovo、Yellow Bourbon。


沖縄コーヒー栽培の課題
• 育苗   主根をまっすぐ!
• 剪定   収穫しやすく。品種に応じて。
• 施肥   生育にあった量、内容物。
• 台風、寒さ
• 収穫
• 精製
• 病害虫コントロール (別 のページに解説
  コーヒーベリーボーラー・・・収穫後のField Sanitation(衛生、害虫の除去)
    コーヒー葉サビ病・・・抵抗力(樹自体を健全に、栽培管理)、農薬散布、防疫、耐性品種

すべての基本: 作物は農夫の足音を聞いて育つ。
 

播種前準備
• 市販のザルでも可(水ハケのよいもの)
• 深さ15cm
• 川砂100%(鹿沼土を使用しても良い)
• 保存していた種子を播種前日より水に浸ける。
• パーチメント(種子の外側の皮)を取り除いておくと発芽がそろいやすい。

播種
• 深さ2cm弱の穴か溝 種子を丸みを上にして置く。
• 砂をカバー
• 灌水は充分に。

発芽
• 通常播種後40~50日で発芽する。気温が15℃~25℃
• 灌水は毎日、砂は水ハケがよいので注意。
• 4枚出葉した頃にポリバッグに移植。

移植
• ポリバッグは深さ30cm、主根を生育させるため。
• 直径は小さくても問題ない。
• 土壌は、土が50%、有機質が30%、川砂が20%。土の状態で調整。
• 移植前に充分灌水。
• 移植の際は苗の主根の確認、曲がってないか、切れてないか、フォーク状に広がってないか。不適 合な苗は処分。
• 移植後灌水は毎日。

育苗


おわり

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3)沖縄における栽培の課題  金田晴 希(卒業研究)

現状:沖縄のコーヒーは希少性から高価格である。
しかし、沖縄のコーヒー産業を持続可能なものにするには、以下の課題の解決が必要。

➀どのような品種が植えられているか、不明や混乱がある

  • ティピカ、ムンドノーボ、ブルボン、ゲイシャなど多く品種を植栽。
  • 正確に特定されていないものもある。
  • ティピカ種はアラビカコーヒーの原種に非常に近く、遺伝資源としても重要。
  • 品種のDNA鑑定が理想


②不良苗の使用による収穫量減少

成長不良や衰弱の原因は主根の不良が多い。


③開花時期のばらつきと収穫期間の長さ
  •  沖縄では乾期から雨期への移り変わりがはっきりしないので、一斉開花が起こりにくい。
  •  その結果、結実が同じ枝でもばらつくので、収穫の手間がかかって雇用のコストが高くなる

④果樹管理手法の検討


神戸大学農学部では
「低標高で湿潤な沖縄地域におけるコーヒー栽培種(Coffea arabica)の生 育特性の把握」
というテーマでコーヒー栽培の研究に取り組んでいます。

 自動撮影動画(2021年3月か ら6月までの記録)

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