第37号(2007年12月号[07/12/1発行])
冬を元気に過ごすために
師走に入って急に寒くなりました。リウマチ外来に通院中の皆様は、冬対策は万全でしょうか。冬の寒さを元気に乗り切るために、新年の用意と合わせて、冬場の健康対策について、ぜひ、ご検討ください。
1.インフルエンザワクチンの接種を受けましょう
インフルエンザ対策の基本は、ワクチンの接種です。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、接種することによってインフルエンザにかかる危険はなく、免疫抑制剤を使用しているリウマチ患者様でも接種を受けることができます。接種後に効果が出るまで、少なくとも、2週間は要しますので、できるだけ早く接種を受けることをお勧めします。詳しくはリウマチだより11月号をご参照ください。
2.かかりつけ医を受診しましょう
風邪症状が起きた場合に、自分で風邪だと診断をして、市販薬で症状を抑えてはいけません。かかりつけ医に診察をして頂いて、お薬を貰ってください。現在、かかりつけ医を持っていない患者様は、インフルエンザワクチンの接種の際に、かかりつけ医になって頂ける開業医の先生を捜しましょう。大学病院の患者支援センターで、お近くの開業医を紹介することもできますので、ご相談ください。
3.うがいと手洗いを励行しましょう
外出時に、さまざまなウイルスや細菌に、接触してしまっているかもしれません。うがい薬で、あるいは、水だけでも構いませんので、帰宅時には、うがいを、しっかりと行ってください。また、同時に、手洗い用石けん(ハンドソープ)による手洗いも、念入りに行って下さい。
4.厚着を避けて運動しましょう
体が冷えると、関節痛がひどくなる場合が多いので、リウマチ患者様は、ついつい厚着になりがちです。しかし、厚着は、身動きを制限してしまうために、転倒しやすくなって、骨折の誘因となってしまいます。ですので、部屋ごとしっかりと暖房をして、室内では、できるだけ薄着にして、リウマチ体操など、自分でできるリハビリテーションを、毎日行って下さい。
5.乾燥を防ぎましょう
暖房器具を使用すると、室内の空気が乾燥して、ウイルスが遠くまで飛びやすくなります。また、乾燥は、のどや鼻の抵抗力を下げてしまい、結果として、風邪やインフルエンザを誘発します。ですので、暖房をする際には、加湿器を使って加湿しましょう。また、部屋の換気も定期的に行って下さい。
年末年始の休診のご案内
12/29から1/3の間は、大学病院が休診になりますので、1/2(水)のリウマチ外来と、1/3(木)のリウマチ生物製剤外来は、休診となります。風邪や下痢などの軽症の疾患に関しましては、自治体の広報紙や、新聞に掲載されている、休日診療機関に、診療の可否を電話で問い合わせの上、受診してください。
リウマトレックス®、アラバ®、プログラフ®などの免疫抑制剤を内服中のリウマチ患者様や、生物学的製剤(レミケード®、エンブレル®)を注射をされている患者様で、高熱が出たり、激しい咳が出て、肺炎が疑われるような重篤な症状の場合、整形外科当直医が、主治医と連絡を取り、救急部や他の診療科の医師と共同して、対応致します。なお、生物学的製剤を使用中の患者様は、体調に大きな不都合が生じた場合、記録ノートに記載された電話番号で、速やかに、医師にご連絡ください。
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者様とご家族の皆様に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、患者様が、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より、整形外科リウマチ教室を開催しております。教室は、毎月最終木曜日、午後1時から2時に、定期的に開催しております。ただし、来年からは、事情により、最終週に開催が困難な場合には、開催する週を変更させて頂くこととなりました。また、神緑会館を使用できない場合には、会場が、病棟5階カンファレンス室等に変更になります。お手数ですが、最新のリウマチだより、あるいは、大学病院ホームページで、日時と会場をご確認の上、来院いただけますように、お願い致します。講演は、予約不要、参加費無料ですので、当院に通院中以外の患者様や、ご家族の皆様も、是非ご参加下さい。教室では、療養に役立てて頂くために、リウマチ患者様の健康維持や、保健に関する様々な話題を取り上げております。ときには、リウマチから少し離れたテーマでの場合もありますが、ご理解くださいますようにお願いします。参加頂いている多くの患者様は、リウマチ教室を、患者様同士や、患者様と医療従事者の交流に活用されておられますので、初めての患者様も、安心してご参加ください。講演後に、時間が許す限り、個別の療養や治療に関する相談に応じておりますが、診察そのものは、リウマチ教室ではできません。リウマチかどうか分からない場合などは、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、お願いいたします。
リウマチ教室は、12月はお休みを頂いて、年明けより再開致します。1月は年頭に当たって、三浦准教授から、来年、承認される見通しの、新しいリウマチ治療薬を初め、さまざまな最新のリウマチ治療について、講演致します。講演後には、手術についての個別相談を開催致しますので、ご希望の方は、レントゲン写真などの資料をご持参下さいますように、お願い致します。2月は、大学院生の内村千秋女史に、今年のアメリカリウマチ学会の参加報告と、皆様にご協力頂いた、研究用の採血がどのように役立てられているかなど、関節リウマチと全身性エリテマトーデスの研究について講演して頂く予定です。3月は、澤村義肢製作所より、戸石義肢装具士、佐野義肢装具士の2名にお来し頂き、リウマチの上肢装具について、講演と装具の展示を行って頂く予定です。来年も、リウマチ教室にご期待ください。
それでは、皆様、楽しいクリスマス、良い新年をお迎えください。
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