超消極的な人でも安心して使える学会での交流促進システム

with 栗原 一貴, 濱崎 雅弘

概要

休憩時間やイベント中の交流は学会の大切な役割のひとつであるが,大勢の参加者が集まる中目当ての相手と交流の機会を作るのは容易ではなく,あとで「あの人と話したいと思っていたのに話せなかった」などと悔やむことも少なくない.普段から人と交流することに積極的でない人にとっては,ここぞとばかりに交流に励む人々の中で希望を叶えるのはなおさら困難である.そこで我々は,物質的・心理的交流コストを低減することで学会での交流を促進するシステムを開発している.本研究では特に,交流を後押しされることをプレッシャーに感じてしまうほどの超消極的な人でも安心して利用できることを目標とし,1) 目立たない形で交流を希望できるようにする,2) プレッシャーになるべくならない形で交流を後押しできるようにする,3) 積極的な人へのメリットを主にする,という3 つのデザイン指針を提案する.たとえば夕食時に近くの席になりたい相手の希望を登録しておくと自動的に席を決めてくれるシステムでは,本人以外の希望を入力できるようにすることで指導学生などの交流を後押しできるようにするとともに,決まった席を見ても誰が誰を希望したか推測しづらいよう配慮した.

発表文献

  1. 西田 健志, 濱崎 雅弘, 栗原 一貴, "超消極的な人でも安心して使える学会での交流促進システム", WISS2012 論文集, pp.103-108 (December, 2012).