先端膜工学研究拠点

建築概要

  • 構造:鉄筋コンクリート造
  • 階数:地上6階建て
  • 建築面積:1,259.16 m2
  • 延床面積:6,120.77 m2

現在、人口増加や経済発展に伴い世界各地で水不足問題が深刻化しており、世界的な環境問題として早急な解決が求められている。水不足問題を解決する手段としては、膜による水の再利用や海水淡水化など膜技術がその根幹をなすものと言える。また地球環境における人類のもう一つの大きな課題は、温暖化の主原因である CO2 の削減である。膜を用いたガス分離技術はそのような地球温暖化抑制に対しても大きな貢献が期待されている。さらに膜技術は、センサー等のデバイスや、計測技術あるいはエネルギーやエレクトロニクス分野においてもキーテクノロジーとなる。

このような背景のもと、この度神戸大学に先端膜工学研究拠点施設が設立された。本研究拠点施設では、先端膜工学センターをはじめ、建築学系、市民工学系、電気電子工学系、機械工学系および応用化学系の「先端膜工学」に関する研究が、各方面から集中的に実施される。このような多角的研究の相乗効果により、日本に類を見ない「先端膜工学」に関する世界的研究拠点として、神戸の地において、世界先導型の教育と研究を推進する。

先端膜工学センター

平成19年4月、神戸大学大学院工学研究科に「先端膜工学センター」が設置された。大学における膜工学に関するセンターとしては、日本で初めてそして唯一の膜センターである。本センターは現在「水処理膜グループ」、「ガス分離・ガスバリア膜グループ」、「塗布膜グループ」、「有機薄膜グループ」、「膜バイオプロセスグループ」の5グループ総勢23名の教員で構成され、100名以上の学生が所属している。センターでは膜工学専門教育の実施や、膜工学の最先端研究を実施することにより、最新の学術情報をセンターに集約し、センターから日本や海外に向けて発信している。また、産業界との強力な産学連携の推進や、数多くの海外の膜センターとの国際交流・共同研究にも注力している。本センターが目指す最先端膜工学研究は、国際的競争力の強化と環境・エネルギー問題解決のために不可欠である。

建築学系

テントなどに代表される面状の建築素材を研究対象とし、特に先端膜工学研究拠点の外壁に設置した ETFE 膜を対象として、ETFE 膜クッション構造による新機能建築材料に関する研究と、ETFE 膜による空間の可能性を広げる実践的デザインに関する研究を行う。また、もう1つ の研究テーマとして、剛体折紙技法を利用した折畳/展開構造システム開発や耐震化コンポジットの利用による既存建築物の補強法開発など、スマート構造システムのための多機能コンポジットの活用研究を行う。

市民工学系

先端膜工学研究拠点が生み出す高機能膜新材料群の機能を把握した上で、それらを利用して開発可能なセンシング技術と現在のインフラ業界が抱えている課題解決に必要な要望技術のマッチングを行う。その上で、安全・安心な未来社会を実現するために必要な次世代インフラを実現するための膜利用センサ群を共同開発し、それらを効果的に実装するための研究・技術開発を行う。

電気電子工学系

新膜材料、膜システムの開発と基礎材料物性研究を通じて、フィルター、センサー、エネルギー変換、デバイス設計、超省電力集積回路システムなどに関する 技術開発を実施し、革新エレクトロニクス、ライフサイエンス、ウェアラブルコンピュータ、次世代情報通信、ソフトウェア基礎技術におけるイノベーションを創出する。

機械工学系

種々の膜を利用した機器やシステムの性能、信頼性、安全性、経済性の向上を目指して、熱流体力学、材料物性、振動・制御、製造・加工プロセスの観点から研究を行うとともに、膜工学と機械工学分野で発展してきた先端的 MEMS、数値シミュレーション、計測技術、加工技術等との融合を図り、その深化と発展に寄与する。

応用化学系(先端膜工学センター)

応用化学の視点から先端膜素材・プロセスへの貢献をめざし、膜界面での現象を制御する「ものづくり」分子技術の開発,薄膜界面での機能創出を目指した精密有機合成、膜応用プロセスを指向した触媒プロセス設計、バイオ生産プロセス開発、粒子含有薄膜製造プロセスを研究する。

イノベーションサポートセンター

本センターは工学研究科及び工学部の研究・教育支援施設である。各種の工作機械を設備しており、研究用装置の設計、製作及び修理に関する業務を担当する。また、教職員や学生が研究用装置を自作する場合は、設備利用のサポートを行い、機械加工に関する実習や講習を開催する。