私たちの研究室では,日本が世界に先駆けて直面する超高齢社会の問題を心理学的な視点から捉え,老いに伴う機能低下への適応や,高齢期のwell-beingの実現のために,認知心理学,認知科学をベースした高齢期の記憶,感情,意思決定に関する研究や,さまざまな領域の研究者と連携して展開する社会的ネットワーク(ひとのつながり)の形成に関する地域介入研究などを展開しています。

研究室の特徴
歳をとっても身体的,認知的に健康でいることが大切なことはいうまでもありません。しかしながら,加齢とともにさまざまな機能が衰えるのは必然でもあります。そのため,健康でなくなった時に,生活の質を維持し,老いに適応するために何が大切なのかを知ることは,極めて重要になります。
本研究室の特徴は,加齢による低下がみられない機能に着目し,これらの機能を活用し低下する機能を補うことで,生活の質を高め,より良い生を実現することを目指している点にあります。

研究の目標
「老年は山登りに似ている。登れば登るほど息切れするが,視野はますます広くなる。」
これはスウェーデンの映画監督であるイングマール・ベルイマンの言葉だといわれています。人生100年時代と言われる現代において,老いによる変化に適応していく上で,老いに対する思い込みや偏見をなくすために,研究によって得られた適切な知識を提供することが本研究室の目標です。