レーザー光の単色性の良さを極限まで活用して、各種ドップラーフリー分光法、分子の並進方向のそろった分子線、外部磁場および電場を併用して、分子の構造・動的挙動と化学反応の基礎過程に関する基礎的で重要な知見を得る事を目的にした研究を行っています。
1.光源
cw単一モードリングレーザーおよび倍波発生用外部共振器を用いて280〜450 nm および560〜1000 nm にわたってエネルギー分解能の非常に良いレーザー光(分解能 0.0001 cm-1)を利用する事ができます。 |
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2.絶対波数精度
周波数強制安定化掃引システムを構築して分解能 0.00003 cm-1 のレーザー光、および、高精度波長読み取りシステムを構築して、0.0001 cm-1 の波長読み取りを実現させ、超高分解能レーザー分光測定システムを実用化しています。 |
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3.ドップラーフリー分光
上記のシステムを用いて分子のスペクトルを観測するのですが、気体分子は様々な方向に並進運動しているため、入射レーザー光に対して様々な速度を持つためにドップラー効果が生じて、スペクトル線の線幅が広がってしまいます。そのため、このドップラー効果の影響を無くす工夫が必要となります。当研究室では、以下の各種ドップラーフリー分光法を利用した分光測定システムを構築してスペクトルの測定をしています。 |
(A) 分子線の利用-----分子の運動を制御する
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(B) 飽和分光法の利用-----レーザー光に対して速度を持たない分子のみ検出する
(C) 二重共鳴法の利用-----特定の速度を持つ分子のみ検出
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(D)二光子吸収法の利用-----ドップラーシフトを相殺する
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これらの分光計測システムを用いて得られた成果をこちらに示します。