運動機能障害分野 運動機能回復学研究室
教授 藤野英己
本研究室は2009年に着任と同時に開設された新しい研究室です。主に骨格筋(筋肉)の機能障害を研究しており、生活習慣病や高齢化による骨格筋機能の障害に対する進行予防や機能回復のニーズに応えるために設立されました。主として運動に依存しないツール(機能性栄養成分や物理療法等)で新しい視点により進行予防や機能回復について研究開発をする研究室となっています。
主な研究内容について説明します。長期のギプス固定や寝たきり。さらに宇宙での生活では、骨格筋が痩せ細ります。”なぜ痩せ細るの?"という疑問から研究を行っています。では、”予防対策はないでしょうか?"その答えを探すために、基礎研究、治療法の開発を遺伝子、タンパク質レベルから探求しています。研究手法に生理学、組織学、生化学、分子生物学などの最新技術を駆使して、骨格筋障害に関する病態の理解、治療法の学問的裏付けや新たな治療法開発を目的としした研究に取り組んでいます。
骨格筋は痩せるだけではなく、性質も大きく変化します。糖尿病では糖を取り込む能力が低下し、血糖値が上昇します。この状態では身体の血管が傷害を受け、筋肉の毛細血管はボロボロ状態になります。また、エイジングによるサルコペニアでは骨格筋が痩せるだけではなく、疲れやすい性質の筋肉になります。いずれも骨格筋を主体とする質の変化による病態です。研究室では質の良い筋肉を作るため、また、回復を促すための新規の機能性栄養素材の探索や物理的な刺激法(高酸素・低酸素,磁気照射.超音波照射,電気刺激等)を開発する研究をしています。
主な対象疾患は、廃用性筋萎縮、糖尿病(インスリン抵抗性、がん、心不全、高血圧、脊髄損傷です。何れも動物の疾患モデルや培養細胞を使用した研究を主体とし、骨格筋、毛細血管、もしくは脊髄を標的組織にしています。また、アンチエイジングにも取り組んでおり、美と若さの維持、復活を目指した開発をしています。さらには、アスリートの身体のメンテナンス、怪我からのリカバリー等の幅広い研究に取り組んでいます。
これらの研究の成果がリハビリテーション科学・医療に貢献できると信念をもって研究に取り組んでいます。
是非一緒にリハビリテーション科学を発展させ、運動障害やエイジングに苦しむ人々の手助けをして、リハビリテーションに貢献していきましょう。
興味のある方は遠慮なく研究室へ訪問してください。
修士課程・博士課程へ進学を希望される方は、必ず受験前に研究計画をご相談ください。
事前に研究内容を把握できなかった場合、入学後に対応できない可能性があります。
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