レクチャーノート

本勉強会のレクチャーノートです。講師から加筆・修正があった場合,随時アップデートします.

 石井克幸 氏 2018LectureNote_Ishii.pdf (Last updated on 2019.12.2)
 中村健一 氏 2018LectureNote_Nakamura.pdf (Last updated on 2019.12.2)


日時

平成30年12月26日(水) ~ 12月28日(金)


場所

神戸大学深江キャンパス (住所:神戸市東灘区深江南町5丁目1-1)
2号館3階北側(山側) 26日午後,27日午前,28日は2304講義室,27日午後は2301講義室


講師&講演テーマ

講義A: 反応拡散方程式における相平面解析の承前啓後
講師: 中村健一 氏 (金沢大学)
アブストラクト

 解を具体的に求めることができない非線形常微分方程式系であっても,相空間に解軌道を描きその性質を調べることで
解の振る舞いをおおまかに知ることができる.自励系の場合は(解の一意性が成り立つ限りは)異なる解軌道が互いに交わ
らない性質があるため,とりわけ相空間の次元が2(すなわち相平面)の場合には,非常に多くの重要な事実を得ることが
できる.例えば「ポアンカレ・ベンディクソンの定理」がその代表的なものである.
 本講義では,空間1次元の反応拡散方程式に対し,定常解および進行波解の存在や分岐問題などに関する主として相平面
解析によって得られる結果を紹介する.ほぼ全ての内容はこの分野の研究者には周知のもので目新しさはないが,証明方法
の概略を知ることで今後の新たな結果の導出に役立ててもらえれば幸いである.


講義B: 平均曲率流に対する閾値型近似問題について
講師: 石井克幸 氏 (神戸大学)
アブストラクト

 平均曲率流は1956年に Mullins によって粒界の運動を記述するために最初に導出され,1970年代後半から数学的な
研究(平均曲率流の存在やその挙動等)が始まった.それと並行して,界面運動や画像処理への応用を念頭に置いた研究も
行われている.更に,応用面からの動機により,平均曲率流の数値計算法の研究も盛んである.本講演では数多い平均
曲率流の数値計算法の中で1992年にBence,Merriman,Osher の3氏が考案した,熱方程式を用いた数値計算アルゴ
リズム(閾値型アルゴリズムと呼ばれることがある)について,その概要と,等高面の方法や粘性解理論に基づいた数学的
な解析について紹介したい.時間があれば,変分法を用いて Chambolle が2004年に考案したアルゴリズム等について
も紹介したい.


プログラム

12月26日(水)

 14:00-15:30 講義A Part 1 (講義室:2304)
 15:50-17:20 講義A Part 2 (講義室:2304)

12月27日(木)

 09:30-11:00 講義B Part 1 (講義室:2304)
 11:20-12:50 講義B Part 2 (講義室:2304)
  (昼休み)
 14:20-15:50 講義A Part 3 (講義室:2301)
 16:10-17:40 講義A Part 4 (講義室:2301)

12月28日(金)

 09:30-11:00 講義B Part 3 (講義室:2304)
 11:20-12:50 講義B Part 4 (講義室:2304)
 講演終了後〜  Free discussion

プログラムのPDF版はこちら


本勉強会は

 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤(A) 課題番号:18H036704 (代表:利根川吉廣)
 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤(B) 課題番号:15H03632 (代表:石渡哲哉)

の援助を受けて開催されます.


世話人
石渡哲哉 (芝浦工業大学) tisiwata(at)shibaura-it.ac.jp
高坂良史 (神戸大学) kohsaka(at)maritime.kobe-u.ac.jp