12月の最大の行事はクリスマス。ウィーンでも4週間前にアドヴェントが始まる頃からあちらこちらでクリスマス・マーケット(Weihnachtsmarkt)が開かれます。その中で最も大きなものが市庁舎前広場のクリスマス・マーケット。市庁舎全体がアドヴェント・カレンダーになっていて、その前に今年は南チロルから運ばれてきた樹齢100年、高さ27メートルのモミの木を中心にお店が100軒ほど並びます。人々は、パンチ(辞書には砂糖、レモン、香料を混ぜた温かいアルコール飲料とあります)を飲みながら、お店をのぞき、クリスマスグッズを買っていきます。そして、夜のイルミネーションがとてもきれい(メールでクリスマスカードを差し上げた方にはその写真を使いました)。それから、パンチを飲むマグカップはそれぞれのクリスマス・マーケット特製で(市庁舎前のマーケットは市庁舎とハイドンの絵入り)、25シリングのディポジットを捨てればお持ち帰り可なので、ジルヴェスター(大晦日)を含めて4つもマグカップがたまってしまいました。
家庭でのクリスマスツリーの飾りつけはイヴの日に行い、公現祭の1月6日まで飾られるのだそうで、12月の半ば頃になると街のあちらこちらでモミの木が売られ始めます。我が家も高さ1.2メートルほどの木を買って来て、少しだけですが飾りつけをしました。12月に入ると窓にイルミネーションを飾るうちが多く、街がだんだん華やかになっていきます。
しかし、クリスマスの日はとても静か。24日はお昼でスーパーも閉店。ケーキを買い忘れたので、バスと市電を乗り継いで街中まで出かけなければなりませんでした。夜の11時でしたか、近くの教会から礼拝が始まる合図の鐘が鳴っていました。25日は昼間お出かけしたので、晩ご飯を食べて帰ろうということになったのですが、開いているレストランがなくて困りました。
これと対照的だったのが31日。大晦日吉例の「こうもり」をフォルクスオーパーで見た後、市庁舎からフライウング、グラーベン、ケルントナーとジルヴェスター・フェスタをブラブラ歩きましたが、人通りはクリスマス・マーケットの数倍。たくさんの人が、パンチを飲みながら、縁起物のブタの帽子をかぶり、ブタの泣き声のするホーンを鳴らし、街頭ディスコで踊っています。いや〜陽気です。何よりあちこちで爆竹が炸裂するので、わが息子は「早く帰ろ!」。
ということで、10時には家に戻ったのですが、ここからまたまたパーティー。我が家はウィーンの森の端のブドウ畑の隣にあるのですが、ここなら人様にご迷惑でないということでブドウ畑は花火大会の会場。皆が勝手に持ってきた花火(ちゃんと花が咲く、けっこう立派な打ち上げ花火です)を勝手に打ち上げてくれます。日本人からすると時ならぬ冬の花火大会を、しかも暖かい部屋の中から鑑賞しながら、新年を迎えました。
日本人はどちらかというと神妙に新年を迎えますが、こちらの人は本当にご陽気に新年を迎えるのですね。
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