第30号(2007年5月号[07/5/7発行])


 リウマチ外来に通院中の皆様は、楽しいゴールデンウィークをお過ごしになられましたでしょうか。温かくて湿度が低く、過ごし易い五月晴れの合間に、天候の崩れる日もあり、この時期は、気温変化が激しいために、体調管理が意外と難しく、冬の間は引かなかった風邪をひいてしまう場合があります。気温に合わせて、服装を細かく調整していただくとともに、外出後のうがいと手洗いは、冬場と変わらず、励行いただけますようにお願い申し上げます。


日本リウマチ学会参加報告

 4月26日から29日まで、横浜で第51回日本リウマチ学会が開催されました。整形外科からは、黒坂教授と、リウマチ外来担当医師全員が参加し発表を行いました。本年も、生物学的製剤であるインフリキシマブ(レミケード®)とエタネルセプト(エンブレル®)に関する演題が多くを占めましたが、メトトレキサート(リウマトレックス®)と生物学的製剤による、発症早期からの積極的な治療が、関節リウマチの治療成績に良い結果をもたらすことが、ますます明らかになってきています。私たちは、学会で得た知見に基づき、最新のリウマチ医療を皆様に提供できるように、引き続き努力して参ります。

レントゲン撮影のお願い

 リウマチ外来では、特に体調に大きな変化がなくても、年に1回程度、両手(手関節を含む)と、胸部のレントゲンの撮影をお願いしています。また、手と同様の変化が生じ得る両足も、できるだけ撮影させて頂いています。これは、患者様が自覚されていないうちに、関節の変形や破壊が進行していたり、肺線維症などを合併することがあるため、定期的にレントゲンを撮ることが、診断に極めて有用であることによります。薄着になる夏場の時期は、レントゲン撮影のための着替えが容易ですので、最近、レントゲン検査を受けておられない患者様は、是非、お受け頂くようにお願いいたします。次回診察日のレントゲン検査のオーダーが、予め入力されている場合は、診察前に、1階のレントゲン室で、撮影して貰ってください。なお、同じ日に採血もある場合、検体処理に時間を要する採血を先に受けてから、レントゲン撮影を受けて頂くと、効率的に診療を受けることができます。

 また、患者様の症状により、他の関節も同時に撮影していますので、最近、痛みがひどくなった関節などがありましたら、主治医にお知らせください。


高額療養費超過入院費用の窓口払い免除について

 昨年10月の健康保険法の一部改正により、2007年4月から、高額療養費の限度額を超えた分の入院費用の窓口での立て替え払いが不要になりました。これにより、多額の現金の用意や、払い戻し申請が不要になります。ただし、所得に応じた自己負担限度額を示す認定証の交付が必要ですので、加入されている医療保険の保険者(健康保険組合)に、各自で申請していただきますようにお願いします。また、大変申し訳ありませんが、外来診療にかかる費用は従来通りの立て替え払いとなります。


整形外科リウマチだよりが30号になりました

 早いもので、整形外科リウマチだよりの発行を始めて、今月で30回目を迎えました。皆様と診療スタッフとの架け橋として、これからも、発展させ継続して行きたいと思いますので、引き続き、皆様のご支援をお願いいたします。


リウマチ診療部門新医師のご紹介

 4月から、リウマチ診療部門に、二人の整形外科医師が加わりました。今後、外来診療なども担当する予定ですので、よろしくお願い申し上げます。

 立石 耕司 医師、高橋 完靖 医師(共に平成13年入局)


整形外科リウマチ教室のご案内

 毎回、多くの患者様やご家族の皆様に出席頂き、スタッフ一同、深く感謝しております。

先月は日本リウマチ学会のため、臨時休会とさせていただき、申し訳ありませんでした。今月から、通常通り開催致しますので、改めてよろしくお願いいたします。

 5月は、三浦准教授が、リウマチや変形性関節症による関節破壊に対して、広く行われている人工関節手術について、皆様に人工関節の実物を手にとっていただきながら、お話する予定です。手術を勧められたけれども、不安で受けることを躊躇われている患者様がおられましたら、手術がどのようなものなのか知っていただく良い機会ですので、是非、ご参加ください。また、当日の講演終了後に、手術に関する個別相談も行います。相談を希望される方は、レントゲン写真等があればご持参ください。

 6月は、社会福祉の立場から、患者様やご家族に助言や援助を行う専門家である、患者支援センターの都成祥子医療ソーシャルワーカー(MSW)から、医療福祉制度についてのさまざまな話題について、講演していただく予定ですので、是非、ご参加下さい。

 学校が夏休みとなる7月には、三浦准教授から、進学、就職、結婚、妊娠などの、さまざまな出来事に直面される若いリウマチ患者様に向けての講演を予定しております。日頃、患者教室に参加されることが少ない若い患者様も、是非、ご参加ください。

 なお、病棟の改装に伴い、現在の会場である病棟5階カンファレンス室が縮小されたため、今後、開催場所の変更を予定しておりますので、新しい会場が決まりましたら、当ホームページにて、皆様にお知らせいたします。


 すがすがしい天気の日が多い5月は、積極的に外出して、運動量アップを目指しましょう。ただし、無理しすぎないように、くれぐれも、関節保護を忘れないようにお願いします。


翌月のリウマチだよりはこちら

リウマチだよりのリストに戻る

神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)