第26号(2007年1月号[07/1/1発行])
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
整形外科リウマチ診療部門一同
平成も早や19年目となり、今春には平成生まれの大学生が登場します。時間の経過の早さには驚くばかりですが、今年は、生物学的製剤と免疫抑制剤との組み合わせによる、発症早期から関節リウマチの進行を強力に抑制する治療が、多くのリウマチ患者様にますます一般的になってくることと思います。リウマチが発病する仕組みの解明と根本的な治療法の開発には、まだしばらく時間が必要ですが、ここ20年間のリウマチ治療の進歩を考えると、リウマチを完治させる治療法が、遠くない将来に開発されることは、決して夢ではないと思います。ですので、今年も一年、リウマチ患者様とご家族と、私ども医療従事者とでしっかりと手を取り合って、より良い療養ができますように頑張って行きましょう。
さて、先月号でも触れましたが、この冬は、ノロウイルスやロタウイルスにより、嘔吐、下痢などの消化器症状を引き起こす感染性胃腸炎が大流行しております。これらウイルスは口から入って経口感染をおしますので、薬用石けんでしっかりと手洗いをして頂くことが予防にとても重要です。特に、リウマチ治療薬の多くは免疫を弱めますので、リウマチ患者様は、より一層の注意が必要です。うがいと合わせて手洗いを励行いただけますようにお願い申し上げます。なお、牡蠣などの二枚貝は、今回の胃腸炎の流行の原因ではありません。風評に惑わされることなく、十分に加熱して、冬の味覚をお楽しみ下さい。
日高副看護師長からの一言アドバイス(7)
今回は、日頃外来でリウマチ患者様に接していて、お伝えしたいと思うことを挙げさせて頂きます。
(1)主治医から病気について説明を受ける際には、是非、ご家族に同伴して貰ってください。医学的な話を帰宅してから患者様自身でご家族に説明するのは、なかなか大変です。病気の状態をご家族に正確に理解して貰うのには、医師の話をご家族に一緒に聞いて貰うのが最良の方法です。
(2)風邪などの体調の変化と、リウマチによる痛みの経過、また、病状の変化時の対処方法について、いつ、どのようなものだったかを記録にとって、診察の際に持参しましょう。体調の変化は、リウマチの検査結果に影響を与える場合があり、いつ異常があったかが、主治医がリウマチ治療方針の判断するのに、とても大切になりますので、正確に記録しておいてください。また、かかりつけ医などからお薬を処方して貰った場合には、どのような薬であったかも主治医に必ず伝えて下さい。
(3)心配ごとは看護師に相談してください。院内で、リエゾン精神看護、糖尿病看護などの様々な専門看護師による支援を受けることが可能です。また、在宅ケア支援室で在宅看護に関する個別指導を受けることができます(予約制)。一方、糖尿病、高脂血症、肥満症、高血圧症などには、栄養士による栄養指導を受けることができます(予約制)。
(4)頑張っている患者様自身を褒めて下さい。リウマチの治療法は著しく進歩していますが、リウマチ患者様の日常生活には、まだ、さまざまな困難があるのも事実です。できることからひとつずつ、できるだけ体の負担にならないように実行して、できないことがあってもあまり気にしないで、頑張っている自分自身を褒めてあげましょう。
それでは皆様、今年も一年どうぞよろしくお願いします。
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