第190号(2020年9月号[20/9/1発行])
新型コロナウイルス感染症について(その8):兵庫県内の流行の現状
第2波の流行が続いている新型コロナウイルス感染症ですが、8月31日付けの神戸新聞の報道によれば、8月25日時点での人口10万人当たりの累計感染者数は、東京都140.08人、沖縄県133.29人、大阪府90.90人、福岡県82.36人、愛知県56.63人と較べて、兵庫県は39.66人に留まっています。県内においては、芦屋市85.81人、西宮市56.41人、尼崎市54.44人、伊丹市52.93人、稲美町52.85人、神戸市52.27人、宝塚市48.09人と、クラスターの発生が報告された稲美町を除き、阪神間の自治体に感染者数が多いことが明らかになっています。一方で、姫路市は19.84人、加古川市は16.82人と、人口規模が大きくても人口10万人当たりの累計感染者数の少ない自治体もある他、丹波市(1.63人)、小野市(2.11人)、南あわじ市(2.27人)などでは非常に少ない感染者数となっています。
このように県内でも地域によって流行の状況は大きく異なりますが、感染者数の少ない地域に居住されている皆様においても、油断されることなく、引き続き、3密の防止を基本とする感染予防対策を徹底して行っていただけますようにお願いします。
特定医療費(指定難病)受給者証の更新手続きについて
厚生労働省が指定する333疾病の指定難病で治療を受けていて、同省が定める認定基準を満たす患者さんに対しては、医療費の全額もしくは一部公費負担が実施されています。当科に通院中の患者さんでは、悪性関節リウマチ(注:悪性関節リウマチとは血管炎を伴う関節リウマチのことで、通常の関節リウマチは指定難病に該当しません)、強直性脊椎炎、成人スチル病、シェーグレン症候群などの疾患が指定難病に該当します。公費負担を受けるに当たっては、受診の上、疾患ごとの所定の診断書の作成を受けて、自治体の窓口に申請して受給者証の交付を受けるとともに、毎年の更新手続きが必要です。通常、秋に新しい受給者証の交付が行われるのですが、本年は新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、治療の観点からは急を要さない診断書の取得のみを目的とした受診を回避するため、2020年度の更新申請の受付は不要として、受給者証の有効期限を1年間延長することが決定されています。神戸市を除く兵庫県内に居住されている方には、5月下旬から6月上旬までに、有効期限が1年間延長され2021年10月31日とした受給者証が届いていると思いますので、万一、届いていない場合には、居住されている自治体の申請窓口にお問い合わせください。神戸市に居住されている方には、9月下旬から新たな受給者証の送付が始まりますので、届いていなくても心配される必要はありません。もうしばらくお待ち頂けますようにお願いします。
メトレート®の名称が変わりました
現在、後発(ジェネリック)医薬品の名称は「一般名+製薬会社名」と決められていますが、以前は後発医薬品に独自の商品名が認められており、今日までそのまま使用されてきました。しかし、2017年に出された厚生労働省通知により、先発医薬品のないものを除く後発医薬品は、2021年3月までに一般名へ変更することとなったため、メトトレキサート(先行品商品名リウマトレックス®、製造販売:ファイザー)の後発品の一つであるメトレート®錠2mg(製造販売:あゆみ製薬)の名称がメトトレキサート錠2mg「あゆみ」に変更されることとなりました。旧名称の製剤の在庫の減少に伴って新名称の製剤が出荷される見込みですが、名称と薬剤の刻印(メトレート→MTX)を除いて全く同一の製剤ですので、メトレート®を使用中の患者さんはご安心くださいますようにお願いします。
リウマチ教室のご案内(オンラインでの教室が始まりました)
神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので予めご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
さて、3〜5月のリウマチ教室は新型コロナウイルス感染症の流行防止のため開催を中止させていただきましたが、6月から会議システム(Zoom)を用いてオンラインに変更してリウマチ教室を開催しています。9月のリウマチ教室は、音楽療法士の山崎先生をお呼びして例年通り音楽療法を実施しますが、オンラインでの開催です。オンラインでのユニークな音楽療法をぜひご体験ください。
オンラインでのリウマチ教室は、通常のリウマチ教室への来院が困難な遠方にお住まいの方でも、パソコンあるいはスマートフォンからインターネットへの接続ができればご参加いただけます。参加は無料ですが、通信にかかる費用は参加者負担となりますので、ご自宅等の通信容量に制限のないインターネット環境からの参加をお勧めします。
なお、通常の対面での教室と異なり、セキュリティーを保護してオンライン上のトラブルを防止するために、オンライン教室への参加はメールでの事前申し込み制とさせていただきます。
整形外科オンラインリウマチ教室スケジュール(2020年9月-11月)
日時:2020年9月17日(木)13:30-15:00(第3週です)(終了時間が異なります)
会場:オンラインでの開催です(会場の設定はありません)
演題:「健康と音楽」
講師:植草学園大学保健医療学部 山崎 郁子 教授
司会:三浦 靖史 准教授、アシスタント:保健学科学生
日時:2020年10月29日(木)13:30-14:30(第5週です)
演題:「知って得する!リウマチの食事療法」
講師:栄養部 菅 里沙子 管理栄養士
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2020年11月19日(木)13:30-14:30(第3週です)
演題:「リウマチの療養に必要な冬対策」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
オンラインリウマチ教室参加申し込み方法
開催前日の17:00までに、「○月オンラインリウマチ教室参加希望」とタイトルを入れ、本文に参加者のお名前を記入して、以下のアドレスまでメールをお送りください。折り返し、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスから送信ください。
申し込み先:miura■kobe-u.ac.jp(■を@に変更ください)
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。
皆様のご参加をお待ちしております。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-3神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2020.9.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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