第187号(2020年6月号[20/6/1発行])
6月はリウマチ月間です
新型コロナウイルス感染症対策としてステイホームでの生活が続いているうちに、早くも6月になりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。沖縄、奄美、九州南部と四国は5月のうちに梅雨入りし、近畿地方の梅雨入りも平年並みならもう目前です。
さて、日本リウマチ財団は、関節リウマチの患者さんの体調に悪影響を与えることがある梅雨に多くの地域が入る6月を「リウマチ月間」と定めて、関節リウマチを初めとするリウマチ性疾患に関する認識を深め、正しい知識を普及・啓発するために、講演会などの活動を毎年行っていますが、本年は新型コロナウイルス感染症のために中止となりました。梅雨の時期の高い湿度や、エアコンの冷気は関節痛やこわばりなどのリウマチの症状を悪化させる要因となりますので、くれぐれも体調管理に努めていただきますようにお願いします。
新型コロナウイルス感染症について:その5 熱中症予防のポイント
5月後半から随分暑い日が増えてきましたが、夜は結構涼しくなるなど、1日のうちの寒暖の差が激しく、また、1週間のうちでも暑い日と涼しい日があり、まだまだ身体が暑さに慣れていない患者さんが多いのではないでしょうか。
現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として;①身体的距離の確保、②マスクの着用、③3密(密集、密接、密閉)を避ける等の「新しい生活様式」が提唱されていることは、皆様、ご存じのことと思います。このうち、飛沫の拡散予防に有効で基本的な感染対策であるマスクを着用することで、着用していない場合と比較して、心拍数、呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇することが報告されています。すなわち、高温・多湿環境でマスクを着用することは熱中症のリスクを高めます。そのため、気温と湿度が上昇するこの時期、屋外で少なくとも2m以上の人との距離が確保できる場合には、マスクを外すことが勧められています。
2m以上の距離の確保ができずマスクの着用が必要な場合には、着用したままでの負担の大きい作業や運動は避けてください。また、マスクをいちいち外さないといけないので、ついつい億劫になりがちですが、のどが渇く前に頻繁に水分の補給を心がけることいただくようにお願いします。発汗により水分だけでなく塩分も失われますので、水分と同時に塩分も摂取できるように、スポーツドリンクや経口補水液を飲むことがお勧めです。ただし、糖尿病のある方は含まれる糖分にご注意ください。
何より、暑さが始まったばかりで身体がまだ暑さに慣れていないこの時期は、熱中症のリスクが非常に高くなりますので、身体の冷えに注意しながら、早めにエアコンを使用してください。なお、一部の換気機能付きエアコンを除いて一般的な家庭用エアコンには換気機能はありませんので、新型コロナウイルス感染症対策として、冷房運転中であっても、窓を開けたり、換気扇を運転することによって換気を行ってください。
また、近年、独居高齢者や持病のため日常生活動作に支障のある方に、屋内での日常生活の中で起きる非労作性熱中症が増加していますので、これらの熱中症弱者と、身体的距離は確保しても、電話やメールで頻回に体調を確認して、社会的に孤立する・させることがないように配慮しましょう。
自己注射のシリンジの回収場所が変更になりました
院内の自己注射済みのシリンジの回収場所がリウマチセンターに変更になりました。リウマチセンターの看護師に直接お渡しくださいますようにお願いします。
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の診療科や医療機関で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、検査結果やお薬手帳などをできるだけご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、新規の参加者優先で、また、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。なお、教室では、診察はできませんので、受診をご希望の場合には、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診下さいますようにお願いいたします。
さて、6月のリウマチ教室は、6月18日に口腔ケアについて西井歯科衛生士からお話いただく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行防止のため、3〜5月に引き続き院内でのリウマチ教室の開催を中止させていただきます。
中止が続いておりますため、新たに代替措置として、オンライン会議システム(Zoom)を用いてのリウマチ教室を以下のとおり企画しました。
神戸大学整形外科リウマチ教室(オンライン開催)
日時:2020年6月18日(木)13:30-14:30
会場:オンラインのみで会場の設定はありません
演題:「リウマチ治療と新型コロナウイルス感染症対策の両立」
司会・講師:三浦 靖史 准教授
通常のリウマチ教室への来院が困難な遠方にお住まいの方でも、パソコンあるいはスマートフォンからインターネットへの接続ができればご参加いただけます。参加費は無料ですが、通信にかかる費用は参加者負担となりますので、ご自宅等の通信容量に制限のないインターネット環境からの参加をお勧めします。
なお、通常の対面での教室と異なり、セキュリティーを保護してオンライン上のトラブルを防止するために、オンライン教室への参加はメールでの事前申し込み制とさせていただきます。
参加申し込み方法:6月17 日(水)17:00までに、「オンラインリウマチ教室参加希望」とタイトルを入れ、本文に参加者のお名前を記入して、以下のアドレスまでメールをお送りください。折り返し、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスから送信ください。
申し込み先:miura■kobe-u.ac.jp(■を@に変更ください)
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。
皆様のご参加をお待ちしております。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2020.6.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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