第180号(2019年11月号[19/11/1発行])
インフルエンザワクチンの接種を受けましょう
11月に入ってすっかり秋らしくなり、朝夕は冷え込むようになってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。さて、10月中旬から始まった今シーズンのインフルエンザワクチン接種ですが、「もう済ませました」あるいは「予約済みで、もうすぐ受けに行きます」と、自分から接種状況を報告して下さるリウマチ患者さんが年々増えており、皆様の感染症予防への意識が高まっていることを強く感じています。一方、今シーズンの特別な事情として、ラグビーワールドカップが国内で開催されているため、季節が逆の南半球からの訪日者が増えていることも一因となって、例年より2ヶ月ほど早くインフルエンザの流行が始まっています。また、インフルエンザワクチンの効果が発現するのは接種後約2週間してからですので、今シーズンは2,951万本と十分な数のインフルエンザワクチンの供給が予定されていますが、早めに接種を済ませていただきますようにお願いします。なお、2019/2020冬シーズンの国内でのインフルエンザワクチンを構成するウイルス株は、以下の4種類であり、A型の2種類が昨シーズンから変更されました。
A/ Brisbane(ブリスベン)/ 02/2018(IVR-190)(H1N1)pdm09(新規)
A/ Kansas(カンザス)/14/2017(X-327)(H3N2)(新規)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)(昨シーズンと同じ)
B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)(昨シーズンと同じ)
ところで、「早くに接種すると効果が早くに切れるので接種を遅めに受けたほうが良いのでは?」と接種のタイミングを悩まれる患者さんがときどきおられます。インフルエンザワクチンHAの添付文書には、3週間隔で2回接種を行った場合、接種1ヶ月後に77%で有効予防水準に達し、3ヶ月後に78.7%、5ヶ月後に50.8%に予防効果があることが記載されており、接種して3ヶ月以降に徐々に効果が下がってくると考えられますが、ある日を境にして突如効果が切れる訳では決してありません。ですので、安心して速やかに接種いただきますようによろしくお願いします。
エタネルセプト後続1エタネルセプトBS「MA」の処方制限が解除されました
2018年1月に承認され、同年5月に薬価収載・発売開始されたエタネルセプト(遺伝子組換え)(商品名:エンブレル®、製造発売:ファイザー)のバイオ後続品であるエタネルセプトBS「MA」(エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]、製造販売:持田製薬、販売:あゆみ製薬)は、発売開始直後は需要に応じた供給ができず、全剤形の新規注文及び新規処方辞退が行われていました。2019年3月から段階的にエタネルセプトBS「MA」の販売抑制が緩和されていましたが、この度、全ての医療機関でエタネルセプトBS「MA」が制限なしに処方できるようになりました。ですので、エタネルセプト後続1の処方を希望される患者さんは主治医までご相談くださいますようにお願いします。
エタネルセプト後続2エタネルセプトBS「TY」が2社より発売になりました
2番目のエンブレル®のバイオ後続品であるエタネルセプトBS「TY」(エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]、製造販売:YLバイオロジクス、販売:帝人ファーマ、陽進堂)は、2019年1月に承認、5月に薬価収載され、6月から陽進堂のみが発売していましたが、今月11月から帝人ファーマも発売を開始しました。
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の診療科や医療機関で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、検査結果やお薬手帳などをできるだけご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、新規の参加者優先で、また、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご理解とご協力のほどよろしくお願いします。なお、教室では、診察はできませんので、受診をご希望の場合には、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診下さいますようにお願いいたします。
さて、12月のリウマチ教室では、三浦准教授からリウマチ患者さんに冬の健康作り講演をさせていただきます。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2019年11月-2020年3月)
日時:2019年11月21日(木) 午後1時30分-2時30分(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチの療養に大切な冬対策について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
12月は年末につきリウマチ教室はお休みです
日時:2020年1月23日(木) 午後1時30分-2時30分(第4週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「令和におけるリウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2020年2月6日(木) 午後1時30分-2時30分(第1週です)
会場:外来診療棟4階第2会議室(通常と異なりますのでご注意ください)
演題:「若いリウマチ患者さんとご家族へ:就職・妊娠・出産・育児のお話」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2020年3月5日(木) 午後1時30分-2時30分(第1週です)
会場:外来診療棟4階第2会議室(通常と異なりますのでご注意ください)
演題:「人工関節置換術など整形外科手術による機能再建」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
気温差の激しい気候が続きますので、皆様、くれぐれもご自愛くださいますようにお願いします。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2019.11.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
翌月のリウマチだよりはこちら
リウマチだよりのリストに戻る
神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)