第168号(2018年11月号[18/11/1発行])

秋が深まってきました

 11月に入って朝夕は随分と寒くなって秋が深まってくるとともに、風邪を引かれている患者さんも多くなってきましたが、皆様、変わりなくお過ごしでしょうか。今年もあと2ヶ月を残すばかりとなり、次回の受診予約日が年明けとなる患者さんも増えてきて、年の瀬に向けて何かと慌ただしく感じております。さて、近頃では、こちらからお話しなくても「もう予防接種を済ませて来ました」、「今日、予防接種を受けられますか」とご自身からインフルエンザワクチンについてお話頂けることが多くなり、皆様のインフルエンザ予防への意識が年々高まっているように思いますが、11月と言えばインフルエンザワクチン接種に最適な時期です。先月号のリウマチだよりでもお伝えしましたが、昨シーズンと異なり今シーズンは十分な量のワクチンが供給される見込みですが、インフルエンザワクチンの効果が現れるのは接種後2週間ほど経ってからですので、流行し始めてからの接種では効果発現が間に合わないおそれがあります。そのため、本格的な流行が開始する前の今の時期に接種をうけていただきますようによろしくお願いします。

 ところで、インフルエンザの予防接種は保険診療の対象外ですが、満65才以上の方、あるいは、満60歳から64歳で心臓、腎臓、呼吸器、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の何れかに身体障害者手帳1級相当の障害のある方も高齢者インフルエンザ定期予防接種の対象となります。その場合の自己負担額は神戸市の場合1,500円です。さらに、市民税を課税されていない世帯の方や、生活保護受給中の方は自己負担が無料になります(所定の証明書が必要です)。ちなみに、インフルエンザワクチンの効果はそのシーズン限りですので、昨シーズンに接種を受けていても、改めて受けて頂きますようにお願いします。


風邪症状がある場合には

 風邪やインフルエンザが疑われる発熱、咳、鼻水、咽頭痛、頭痛などの症状が出現した場合には、次回の予約日まで受診を待つのではなく、また、予約日であっても無理して大学病院まで来られるのではなく、当日で構いませんので電話で予約日を変更し、速やかにお近くの医療機関を受診していただきますようにお願いします。なお、受診の際には他の患者さんにうつさないように、マスクを着用の上、医療スタッフの指示に従って各医療機関の所定の場所で待機くださいますようにお願いいたします。


インフリキシマブ後続品(後続1)採用のお知らせ

 2014年7月に承認された抗ヒトTNFαモノクロナール抗体製剤インフリキシマブ(レミケード®)のバイオ後続品インフリキシマブBS点滴静注用100mg「NK」(インフリキシマブ(遺伝子組換え)後続1、製造販売:日本化薬)が先月、当院に採用されました。バイオ医薬品とは、遺伝子組み換えと細胞培養技術を用いて合成した蛋白質の医薬品のことですが、特許切れの後に先発品メーカーとは別のメーカーが開発したバイオ医薬品がバイオ後続品(バイオシミラー)です。後発医薬品(ジェネリック医薬品)が先発品と全く同じ有効成分であるのに対して、バイオ医薬品の場合、蛋白質のアミノ酸配列が同じであっても蛋白修飾等の相違により、先発品や他の後続品と似ているものの全く同じ有効成分ではないため、「後続品」と呼んで「後発品」と区別されています。また、適応症も先行品と同じではなくインフリキシマブ後続1の場合、関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎に限定されています(強直性脊椎炎には適応がありません)。さらに、先行品と異なりレミチェックQ®で血清中の濃度を測定することができません。薬価は1バイアル当たり50,042円です。


整形外科リウマチ教室のご案内

 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の診療科や医療機関で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、検査結果やお薬手帳などをできるだけご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、新規の参加者優先で、また、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。なお、教室では、診察はできませんので、受診をご希望の場合には、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診下さいますようにお願いいたします

 さて、11月のリウマチ教室では、三浦准教授から、年末恒例の冬の健康管理に関するお話をさせていただきますので是非ご参加ください。皆様のご参加を心からお待ちしております。


整形外科リウマチ教室のスケジュール(2018年11月-2019年3月)

日時:2018年11月15日(木) 午後1時30分-2時30分(第3週です)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「冬を健康に過ごすために」 

講師・司会:三浦 靖史 准教授


年末につき12月のリウマチ教室はお休みです。


日時:2019年1月31日(木) 午後1時30分-2時30分(第5週です)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「2019年:今年のリウマチ治療の展望」

講師・司会:三浦 靖史 准教授


日時:2019年2月14日(木) 午後1時30分-2時30分(第2週です)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「臨床検査について」 

講師:検査部 大沼 健一郎 臨床検査技師 

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2019年3月7日(木) 午後1時30分-2時30分(第1週です)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「若いリウマチ患者さんとご家族へ:就職・妊娠・出産・育児のお話」

講師・司会:三浦 靖史 准教授


神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ


リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙でリウマチセンター受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。

連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛

発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2018.11.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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