第167号(2018年10月号[18/10/1発行])
インフルエンザワクチン接種を受けましょう
10月になって朝夕は随分と涼しくなってきましたが、皆様、お変わりありませんでしょうか。
さて、急激な気候の変化に伴い、先月の中頃から風邪を引かれる患者さんが随分と増えてきました。手洗いやうがい等による感染防止は基本ですが、間もなくインフルエンザワクチン接種も始まります。幸い今シーズンは、昨シーズンのようなワクチンの供給不足はない見込みです。
2018/2019冬シーズンの国内でのインフルエンザワクチンを構成するウイルス株は以下の4種類で、昨シーズンから2種類が変更になりました。
・A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09(昨シーズンと同じ)
・A/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)(新規)
・B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)(昨シーズンと同じ)
・B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)(新規)
インフルエンザワクチンの効果はそのシーズン限りですので、メトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬、ステロイドなど、免疫抑制作用を有する薬を使用されているリウマチ患者さんならびに、65才以上のご高齢の方は、是非、インフルエンザワクチン接種を受けて頂きますようにお願いします。当院での接種を希望の方は、主治医に直接ご相談くださいますようにお願いします。
シムジア®皮下注200mgオートクリックス®が承認されました
関節リウマチに対するTNF阻害薬のひとつであるペグヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体Fab’断片製剤セルトリズマブ ペゴル(遺伝子組換え)(商品名シムジア®皮下注200mg、製造販売:アステラス製薬・ユーシービージャパン)は、2012年12月にプレフィルドシリンジ製剤として承認され供給されてきましたが、先月、自動注射器(オートインジェクター)製剤(シムジア®皮下注200mgオートクリックス®)が新たに承認されました。オートクリックス®の中身と注射針の太さは従来のシリンジ製剤と同じですが、他のオートインジェクター製剤と同様に簡便な操作で自動的に薬液が注入されます。すでに、エタネルセプト(エンブレル®)皮下注25mgと50mg、トシリズマブ(アクテムラ®)皮下注162mg、アバタセプト(オレンシア®)皮下注125mg、アダリムマブ(ヒュミラ®)皮下注40mgと80mg、エタネルセプトBS皮下注「MA」50mgにつきましては、オートインジェクター製剤が国内ですでに発売されており、シムジア®も海外では発売されていましたので、国内での発売が切望されていましたが、ようやく実現する運びとなりました。ただし、シムジア®皮下注200mgオートクリックス®の薬価収載と発売開始はまだですので、シリンジ製剤からの切り替えはもうしばらくお待ちくださいますようにお願いします。
シムジア®皮下注200mgオートクリックス®(左)及びシリンジ(右)の製剤写真
エタネルセプト(エンブレル®)皮下注25mgペン0.5mL採用のお知らせ
関節リウマチと若年性特発性関節炎に対するTNF阻害薬のひとつである完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤エタネルセプト(遺伝子組換え)(商品名:エンブレル®、製造発売:ファイザー、発売:武田薬品工業)の25mgの自動注射器製剤エンブレル®皮下注25mgペン0.5mLは、本年6月に発売が開始されましたが、先月より大学病院において院外で採用され院外処方が可能になりました。エンブレル®25mgペン0.5mLの薬価は15,937円です。プレフィルドシリンジ製剤からオートインジェクター製剤に切り替え希望の患者さんは主治医までご相談ください。
エンブレル®皮下注25mgペン0.5mLの製剤とパッケージの写真
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の診療科や医療機関で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、検査結果やお薬手帳などをできるだけご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、新規の参加者優先で、また、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。なお、教室では、診察はできませんので、受診をご希望の場合には、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診下さいますようにお願いいたします。
さて、10月のリウマチ教室では、整形外科の福田先生から、関節リウマチの発症の仕組みと最新の研究についてお話いただきますので、ぜひご参加ください。皆様のご参加を心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2018年10月-2019年2月)
日時:2018年10月11日(木) 午後1時30分-2時30分(第2週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「関節リウマチの病態:最近の研究から」
講師:整形外科 福田 康治 医師
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2018年11月15日(木) 午後1時30分-2時30分(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「冬を健康に過ごすために」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
年末につき12月のリウマチ教室はお休みです。
日時:2019年1月31日(木) 午後1時30分-2時30分(第5週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「2019年:今年のリウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2019年2月14日(木) 午後1時30分-2時30分(第2週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「臨床検査について」
講師:検査部 大沼 健一郎 臨床検査技師
司会:三浦 靖史 准教授
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙でリウマチセンター受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2018.10.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
翌月のリウマチだよりはこちら
リウマチだよりのリストに戻る
神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)