第157号(2017年12月号[17/12/1発行])
インフルエンザワクチンが不足しています
当リウマチだよりでも既報のとおり、今シーズンのインフルエンザワクチンが全国的に不足しております。しかし、ワクチンメーカーからは製造後順次出荷されていますので、かかりつけ医で在庫がない場合でも、少し日を空けて再度問い合わせていただきますと再入荷して接種を受けられる場合がありますので、諦めずに問い合わせいただけますようにお願いします。
インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」・「あゆみ」
(インフリキシマブ(遺伝子組換え)後続2)が薬価収載・発売されました
2017年9月に、抗ヒトTNFαモノクロナール抗体製剤インフリキシマブ(レミケード®、製造販売:田辺三菱製薬)の2剤目のバイオ後続品として承認された、インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」・「あゆみ」(インフリキシマブ(遺伝子組換え)後続2、「日医工」の製造販売:日医工、「あゆみ」の製造販売:ヤクハン製薬・販売:あゆみ製薬)が、11月に薬価収載され発売が開始されました。インフリキシマブBS「日医工」・「あゆみ」の適応症は、先行のバイオ後続品であるインフリキシマブBS「NK」(インフリキシマブ(遺伝子組換え)後続1、製造販売:日本化薬)と同様の、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、乾癬(尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症)、クローン病と潰瘍性大腸炎(活動性の条件を満たす場合)に限られており、先行品のレミケード®の適応症に含まれている強直性脊椎炎などの疾患には使用することができません。また、インフリキシマブBS「日医工」・「あゆみ」の薬価は、インフリキシマブBS「NK」と全く同額の100mgバイアル当たり56,382円であり、先行品のレミケード®(83,243円)の約2/3になっています。なお、当院でのインフリキシマブBSの採用の予定は、後続1、後続2ともに、現在のところ未定です。
インフリキシマブBS「日医工」(左)・「あゆみ」(右)の製剤写真
ヒト型抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体サリルマブ(ケブザラ®)が
承認・薬価収載されました
関節リウマチの原因となる炎症性サイトカインのひとつである腫瘍壊死因子α(TNFα)を標的として5つの生物学的製剤と2つのバイオ後続品が上市されていますが、同じく炎症性サイトカインのひとつであるインターロイキン-6(IL-6)に対する生物学的製剤には、これまで、ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体トシリズマブ(アクテムラ、製造販売:中外製薬)しかありませんでした。
この度、IL-6受容体を標的とした新たな生物学的製剤として、ヒト型抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体サリルマブ(遺伝子組換え)(ケブザラ®、製造販売:サノフィ)が2017年9月に承認され、11月に薬価が収載されました。ケブザラ®の適応症は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」であり、用法は、通常、成人にはサリルマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを2週間隔で皮下注射にて投与し、患者さんの状態により1回150mgに減量することとされています。そのため、ケブザラ®には150mgと200mgの2つの剤型の充填済み針つきシリンジ(プレフィルドシリンジ)が用意されています。薬価はケブザラ®皮下注150mgシリンジの45,467円、同じく皮下注200mgシリンジの薬価は60,329円ですので、標準量を使用した場合の年間薬価は1,568,554円になります。なお、発売日は未定です。今後、新たな情報がわかりましたら、当リウマチだよりで皆様にお伝えさせていただきます。
ケブザラ®皮下注150mgシリンジ(左)、同200mgシリンジ(右)の製剤写真
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、新規の参加者優先で、また、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。なお、教室では、診察はできませんので、受診をご希望の場合には、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診下さいますようにお願いいたします。
さて、来年1月のリウマチ教室では、三浦准教授から、年頭所感として新たに発売される抗リウマチ薬などの関節リウマチ治療に関するトピックスについてお話する予定ですので、ぜひ、ご参加ください。スタッフ一同、皆様のご参加を心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2017年12月-2018年3月)
12月は年末につきリウマチ教室はお休みです
日時:2018年1月25日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「年頭所感:リウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2018年2月15日(木)午後1時-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「若いリウマチ患者さんとご家族へ:ライフイベントへの対応について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2018年3月22日(木)午後1時-2時(第4週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「関節リウマチと変形性関節症に対する人工関節置換術について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
それでは皆様、体調管理に留意いただき、楽しいクリスマスと良い新年をお迎えください。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2017.12.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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