第154号(2017年9月号[17/9/1発行])
朝夕は涼しくなり、秋の訪れが感じられる今日この頃ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
芸術の秋、体育の秋、食欲の秋など、それぞれの秋を満喫くださいますようにお願いします。
アダリムマブ(ヒュミラ®)皮下注40mgペンの承認のお知らせ
関節リウマチ、関節症性・尋常性乾癬、強直性脊椎炎を始め様々な適応症を持つヒト型抗TNFα抗体製剤アダリムマブ(商品名ヒュミラ®、製造販売:アッヴィ、販売:エーザイ)は、これまで0.4mLと0.8mLのプレフィルドシリンジ製剤として供給されてきましたが、この度、ペン型の自動注射器(オートインジェクター)製剤が新たに承認されました。ヒュミラ®皮下注40mgペンの中身は従来の40mgプレフィルドシリンジ製剤と同じですが、注射ボタンをクリックすることで自動的に薬液が注入されます。すでに、エタネルセプト(エンブレル®)皮下注50mg、トシリズマブ(アクテムラ®)皮下注162mg、アバタセプト(オレンシア®)皮下注125mgのオートインジェクター製剤が国内で発売されており、ヒュミラ®も海外では以前から発売されていましたので、国内でのオートインジェクター製剤の発売が長年切望されていましたが、ようやく実現する運びとなりました。ただし、ヒュミラ®皮下注40mgペンの薬価はまだ収載されておらず、発売開始は来年以降の見込みとなっていますので、もうしばらくお待ちくださいますようにお願いします。新たな情報が入り次第、リウマチだよりでお伝えさせていただきます。
ヒュミラ®皮下注40mgペンの剤型写真
バリシチニブ(オルミエント®)薬価収載・発売のお知らせ
7月に新たに抗リウマチ薬として承認されたヤヌスキナーゼ(JAK)を標的とした低分子量分子標的薬バリシチニブ(商品名オルミエント®錠4mg、同2mg、製造販売:日本イーライリリー)が、9月より薬価が収載され、発売が開始されました。オルミエント®の適応は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)で、用法用量は、通常成人には1日1回4mgを経口で内服し、患者さんの状態に応じて1日1回2mgに減量すること、となっています。使用上の注意として、4mgで治療効果が得られた場合には2mgへの減量を検討すること、中等度の腎機能障害がある場合には1日1回2mgとし、重度の腎機能障害がある場合には使用しないこと、生物学的製剤や他のJAK阻害剤と併用しないこと、とされています。
オルミエント®錠の薬価は4mgが5223円、2mgが2694.6円と決定されました。ですので、1日1回4mgでオルミエント®を服用する場合の年間薬価は1,906,395円となり、同じくJAK阻害薬であるトファシチニブ (ゼルヤンツ®)と同額ですが、非常に高額な薬剤となっています。
また、オルミエント®は新薬のため発売開始後1年間は処方期間が2週間に制限されます。さらに、ゼルヤンツ®と同様に市販後全例調査が予定されていること、また、当大学病院で未採用のことから、実際に処方が可能になるのはまだ先になります。オルミエント®に関して新たな情報が入りましたら、リウマチだよりで続報させていただきます。
オルミエント®錠の剤型(PTP包装)写真*(左4mg錠、右2mg錠)*5錠が繋がった包装の一部です
診療場所の変更に関するご案内とお願い
整形外科リウマチ外来は、これまで外来診療棟3階のリウマチセンターと1階の整形外科に診療場所が分かれていましたが、8月から全てのリウマチ外来が3階にあるリウマチセンターに移動することになりました。従来通り、受診された際には受付でリウマチ外来問診票(2枚)を受け取って記入いただけますように、また、生物学的製剤を使用されている患者さんは血圧と体温を測定して、計測データを主治医にお渡しいただけますようにお願いします。
リウマチセンター整形外科担当医9-10月休診のご案内
以下の整形外科リウマチ外来を休診させていただきます。皆様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。
9/1(金)酒井、 9/5(火)福田、9/21(木)林、9/27(水)三浦、9/28(木)三浦・林
10/5(木)林、10/17(火)福田、10/26(木)林、10/27(金)酒井
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、9月のリウマチ教室では、音楽療法士の山崎郁子先生に東京からお越し頂いて、毎年好評のリウマチ患者さんを対象とした音楽療法を実施させて頂く予定です。なお、当日、音楽療法に関する簡単なアンケート調査も実施させていただきたいと思いますので、ご協力いただけますようによろしくお願いいたします。年に一度の楽しい教室ですので、ぜひ、ご参加ください。スタッフ一同、皆様のご参加を心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2017年9月-2018年1月)
2017年9月21日(木)(第3週です)午後1時-2時20分(時間が異なります)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「健康と音楽」
講師:国際医療福祉大学大学院 山崎 郁子 特任教授
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2017年10月26日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「臨床検査について」
講師:検査部 大沼 健一郎 臨床検査技師
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2017年11月30日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「今シーズンの冬対策」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
年末で多忙な時期となりますため、12月のリウマチ教室はお休みです。
日時:2018年1月25日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「年頭所感:リウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
昼夜での気温差が大きくなりましたので、体調管理にご配慮くださいますようにお願いします。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチグループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチグループ© 発行日:2017.9.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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