第137号(2016年4月号[16/4/1発行])

2016年度診療報酬改定について(続報)

 いよいよ4月1日から新年度が始まりました。待ち焦がれた春の訪れに心弾む思いがしますが、新年度の開始とともに改定された診療報酬もスタートしました。先月号でお話しました湿布の枚数制限、在宅自己注射指導管理料と外来化学療法加算の変更に加えて、リウマチ患者さんに特に影響のある主要な抗リウマチ薬の薬価の変更について説明させていただきます。以下の通り、5.7%から9.4%の値下げになりました。ただし、インフリキシマブとその後続品を除く生物学的製剤の薬価に変更はありません。

・メトトレキサート(リウマトレックスカプセル®2mg)258.9円(285.9円から-9.4%)

・タクロリムス(プログラフカプセル®0.5mg)424.7円(458.1円から-7.3%)

・タクロリムス(プログラフカプセル®1.0mg)750.3円(808.3円から-7.2%)

・インフリキシマブ(レミケード®点滴静注用100mg)83,243円(89,536円から-7.0%)

・インフリキシマブ後続1(インフリキシマブBS®点滴静注用100mg「NK」)56,382円(59,814円から-5.7%)


新規抗リウマチ薬Peficitinibの治験に関する御礼とご案内

 抗リウマチ新規JAK阻害薬Peficitinib(ASP015K)の第3相試験を、2014年9月より当科で実施しております。本試験では、疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分な場合(RAJ3試験)とメトトレキサートで効果不充分な場合(RAJ4試験)の2つの治験を並行して実施してきましたが、この度、RAJ3試験の参加者が全国で400名に達しましたので3月末で登録を終了させていただきました。本治験へのご参加ならびにお問い合わせを頂きました患者の皆様、お忙しい中、候補者をご紹介いただきました先生方、本当にありがとうございました。

 一方で、RAJ4試験につきましては、参加者が予定数にまだ達していないため、当初は今春で登録終了の予定でしたが、今年の秋まで募集期間を延長させていただくことになりました。生物学的製剤や先行のJAK阻害薬など高い有効性を持つ抗リウマチ薬がすでに数多く存在しますが、皆様のご協力があって初めて、優れた新薬を世に出すことが可能になります。特に本治験薬は、海外からの導入品でなく、日本で開発された薬であり、日本発の新薬を世界に送り出せるように、皆様のご協力を切にお願いする次第です。また、昨年の10月から、約1年間のこれらの治験を終了された患者さんで一定の条件を満たす場合に、治験薬が承認されるまで継続的に治験薬を使用いただける長期継続投与試験(RAJ2試験)も実施しています。治験薬に関する詳しい資料を用意しておりますので、治験に関心をお持ちの皆様は、主治医までぜひ、ご相談いただけますようにお願い申し上げます。


 整形外科外来新看護スタッフのお知らせ

 抗リウマチ薬として国内外で開発が進められている新規JAK阻害薬Peficitinib(ASP015K)の二つの第3相試験 長らく担当頂いた井上副看護師長が病棟に移動になり、4月から竹下副看護師長が新たに整形外科の担当になりました。小林看護師、平松看護師、裏垣看護師、野口看護師の計5名で整形外科外来を担当していますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。


 休診のお知らせ

 以下の三浦准教授の外来を学会参加のため、休診させていただきます。ゴールデンウィークの前後であり、皆様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

4月20日(水) 午後 リウマチ外来(三浦准教授)代診:前田医師 日本リウマチ学会参加のため

4月21日(木) 生物製剤外来(三浦准教授)代診:なし 日本リウマチ学会参加のため

5月12日(木) 生物製剤外来(三浦准教授)代診:なし 日本整形外科学会参加のため


整形外科リウマチ教室のご案内

 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。

 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。

 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。

 さて、4月の教室では、眼科の長井先生から、リウマチ患者さんに生じる眼疾患についてお話させていただく予定です。皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。


整形外科リウマチ教室のスケジュール(2016年4月-2016年9月)

日時:2016年4月28日(木)午後1時-2時

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「リウマチって目も悪くなるんですか?」

講師:眼科 長井 隆行 助教 

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2016年5月19日(木)午後1時-2時(第3週です)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「装具のある生活」 

講師:澤村義肢製作所 岡田 佳奈 義肢装具士  

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2016年6月30日(木)午後1時-2時

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「臨床検査について」 

講師:検査部 大沼 健一郎 臨床検査技師  

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2016年7月21日(木)(第3週です)午後1時-2時

会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)

演題:「足のお手入れについて」 

講師:看護部 野口 まどか 副看護師長  

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2016年8月25日(木)午後1時-2時30分(時間が異なります)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「リウマチ患者さんと家族のおしゃべり会」

担当:整形外科外来 竹下 副看護師長及び看護部スタッフ、保健学科学生 

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2016年9月15日(木)(第3週です)午後1時-2時10分(時間が異なります)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「健康と音楽」 

講師:国際医療福祉大学大学院 山崎 郁子 特任教授 

司会:三浦 靖史 准教授


神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ


 気候が目まぐるしく変わっていますので、風邪を引かれないようにくれぐれもご自愛くださいませ。


リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。

連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛

発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2016.4.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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