第110号(2014年1月号[14/1/1発行])
新年明けましておめでとうございます
生物学的製剤が治療に用いられるようになってすでに10年が経ち、関節リウマチは難病から適切なタイミングで適切な治療を行えば、普通に生活できる病気に大きく変わっています
しかし、病気に関わる心配や不安が全てなくなった訳ではなく、治療費や身体の障害などの未解決の問題も残っています
これからも、患者さんとご家族、そして医療者が力を合わせてリウマチに向き合って頑張ってまいりましょう
本年もよろしくお願い申し上げます
神戸大学整形外科リウマチ診療グループ一同
年頭所感:2014年
昨年は、トファシチニブ(ゼルヤンツ®)、セルトリズマブペゴル(シムジア®)、トシリズマブ(アクテムラ®)とアバタセプト(オレンシア®)の皮下注射製剤と、最新の抗リウマチ薬が次々と発売開始された1年でした。これらの薬は、発売後1年間は2週間分しか処方できないという処方制限が今年のうちには解除になり、いよいよ本格的に治療に使用できるようになります。また、抗リウマチ薬だけでなく、合併症のひとつでもある骨粗鬆症に対しても、昨年は、デノスマブ(プラリア®)とイバンドロネート (ボンビバ®)の注射剤、リセドロネート(ベネット®/アクトネル®)月1回製剤が発売開始されましたが、リセドロネート月1回製剤もまもなく処方制限が解除されます。このように関節リウマチに関わる治療薬が飛躍的に進歩した今日だからこそ、薬で解決できない諸問題、例えば、既に生じてしまった関節破壊への対応、リハビリテーション、こころのケア、高齢化に伴う介護などについても、進歩が得られるように、より一層、努力する一年としたいと思います。皆様に研究等でご協力をお願いすることもありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
電子カルテの更新に伴う診療の遅延に関するお詫び
1月1日より院内の電子カルテが全面的に更新され、従来のNECからIBMにメーカーが変更になりました。電子カルテには統一された形式のものが存在せず、メーカー毎に仕様や操作性が大きく異なるため、新しい電子カルテを習熟するまでの間はカルテの入力に時間を要してしまうこと、注射の処方オーダーが新しい電子カルテに自動的に引き継がれないために、切り替えに伴い注射処方を再入力する必要があることから、どうしても診療が遅延してしまう状況になっております。さらに、昨年11月より三浦准教授の水曜日の外来の医療秘書の入力業務補助がない状況になっていることと合わせて、更なる診療の待ち時間の延長で皆様にご迷惑をお掛けしておりますことを心からお詫び申し上げます。できるだけ早く、新しい電子カルテの入力時間を短縮し、また、入力業務補助について元の状況に戻せるように鋭意努力しておりますので、しばらくの間、ご理解とご協力をいただけますようによろしくお願い申し上げます。
外来採血室が2階に戻りました
検査部で、昨年9月から年末まで行っておりました検査室の大規模な改修工事が予定通り完了しましたので、年始より外来採血室が元の2階に戻りました。新しい検査システムは分析時間の短縮や迅速検査項目などの点で優れておりますので、診療の迅速化と最適化に活用したいと考えております。工事期間中は、大変なご不便をお掛けしましたことをお詫び申し上げますとともに、工事にご協力いただきありがとうございました。
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、1月には三浦准教授から、年始に当たりこれからのリウマチと類縁疾患や合併症の治療、医療制度に関わる展望について講演を行う予定としております。寒い時期ですので、ご無理のない範囲での皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2014年1月-2014年3月)
日時:2014年1月30日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「2014年、今年のリウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2014年2月27日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「若いリウマチ患者さんへ:就職や妊娠、育児について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2014年3月20日(木)午後1時-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「手術療法:人工関節置換術について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
2014年の新春、皆様は何をお祈りされましたでしょうか。いよいよこれからが年中で一番寒い時期で、インフルエンザや感染性胃腸炎も流行してきておりますので、くれぐれも体調管理に務めていただきますように切にお願い申し上げます。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2014.1.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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