第107号(2013年10月号[13/10/1発行])
衣替えの季節です
10月に入って衣替えの季節になりましたが、月初めは真夏ほどではないとはいえ、再び暑い日が続いています。朝夕は結構冷え込むだけに、薄着のままのため、あるいは、逆に厚着のために汗をかいて体を冷やしてしまって、風邪を引いてしまうことがあります。気温の変化に合わせて小まめに衣服を調整して、また、うがいと手洗いを励行して、健康維持に務めていただけますようによろしくお願いします。
学生の臨床見学実習へのご協力ありがとうございました
夏休み期間中、神戸大学医学部保健学科学生によるリウマチ外来の見学実習にご協力いただきましてありがとうございました。参加した学生からは、「今回、大学病院での関節リウマチの外来診療を見学させていただき、教科書では知ることのできないようなことをたくさん学べたと思います。実際に関節リウマチの診療を見学し、患部にも触らせていただくことで、関節リウマチについての知識を深めることができ、 これから勉強していかなければならない課題を考えるきっかけにもなりました。」、「実際の臨床で行われている診察の様子を見学できたことは私にとって大変貴重で実のある経験となりました。ときには患者様に触れることができたのも良かったです。実習前の段階から生のリウマチ患者様をみることができただけでも、臨床実習に入る前の第一段階として本当に良いと思いました。また、何より自分の勉強のモチベーションに繋がります。」(一部抜粋、いずれも原文のまま)など、リウマチ外来での臨床見学の経験が、今後の学業ならびに将来の医療活動に大いに活かされるものと思います。今後とも、学生教育へのご協力をいただけますようにどうぞよろしくお願いします。
検査方法の変更に関するお知らせ
9月から検査室の改修工事に際して検査機器が更新され、様々な検査項目の検査方法が変更になりました。リウマチに関連する重要な検査である、免疫グロブリンの一種IgGのFc部分に対する自己抗体であるリウマトイド因子(リウマチ因子、RF)の測定方法は、従来の比ろう法からラテックス凝集法に変更になりました。RFの新旧の方法の結果は基本的には良く相関していてほぼ同じなのですが、低い値の領域では新しい方法で従来の検査方法と比べて検査結果がやや高い値になる傾向があることがわかりました。そのため、RFが従来15IU/ml未満で陰性(-)と判定されていた患者さんが15以上の値となって陽性(+)と判定されるなど、RFの値が上昇している場合があります。一方、従来100IU/ml以上の高い値であった場合には新しい検査方法で低い値になる場合もあります。いずれにしても、体調に変化がない場合は、リウマチの状態が変わった訳ではなく、検査方法の違いによりRFの値が変化したと考えられます。
また、同じく重要な検査である、関節滑膜細胞や軟骨細胞から産生される関節軟骨破壊に関与する蛋白分解酵素であるマトリックスメタロプロティナーゼ-3(MMP-3)の測定方法は、従来のELISA法からラテックス凝集法に変更になりました。従来のELISA法だと採血日に検査結果をお返しすることができませんでしたが、新しい方法では即日に結果がわかるようになり、検査結果をすぐに治療に反映することができるようになりました。
もし、これらの検査結果に疑問をお持ちの場合には、主治医まで遠慮なくご相談くださいますようにお願いします。
休診のご案内
以下の前田先生の外来を、学会出席のために休診させていただきます。ご迷惑をお掛けしますが、ご協力をいただけますようによろしくお願い申し上げます。
10月30日(水)リウマチ外来(アメリカリウマチ学会のため) 代診:三浦准教授
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間は限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、10月は患者支援センターの医療ソーシャルワーカーから、リウマチ患者さんが使用できる社会福祉制度に関する講演を予定しています。多くの皆様の参加を心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2013年10月-2014年1月)
日時:2013年10月17日(木)午後1時-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「使ってみよう!社会福祉制度」
講師:医療ソーシャルワーカー(患者支援センター)
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2013年11月28日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「冬の健康対策:予防接種はしましたか?」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
12月は年末につきリウマチ教室はお休みです。
日時:2014年1月30日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「2014年、今年のリウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
第11回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
関連医療機関である神戸海星病院との共催で、土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院でのリウマチ教室に加えて、こちらにも是非ご参加ください。
日時:2013年11月16日(土)午後2時-4時30分 (午後1時30分開場)
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:冬の健康づくりについて医師とコメディカルでお話します(来月号で詳細をアナウンスします)
また、リウマチ治療に関する個別相談、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチン接種(費用がかかります)、施設見学(介護付有料老人ホームコンフォートヒルズ六甲)も実施予定です。
参加は無料ですが、定員60名ですので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部 電話:078-871-5201
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2013.10.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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