第104号(2013年7月号[13/7/1発行])

熱中症に注意しましょう

 6月のうちから台風が来襲するなど不安定な気候が続いていますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。まだ梅雨ですが、最高気温が30℃を超える真夏日も多く、熱中症の発生が増加しています。くれぐれも、日頃の体調管理とともに熱中症対策を行っていただきますようにお願いします。


アバタセプトの新投与経路オレンシア®皮下注125mg承認のお知らせ

 T細胞補助シグナル分子であるヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)とヒト免疫グロブリンのFc部分との融合蛋白質であるアバタセプト(商品名オレンシア®、製造販売:ブリストル・マイヤーズ・販売:小野薬品)は、抗原提示細胞上のCD80/86分子と結合して、CD80/86分子がT細胞上のCD28と結合するのを競合的に阻害することにより、T細胞の活性を抑制して、抗リウマチ作用を発揮します。これまで、オレンシア®は通常30分掛けて点滴静注する必要がありましたが、このたび、新しい投与経路として皮下注射製剤であるオレンシア®皮下注125mgが承認されました。オレンシア®皮下注は通常1週間毎に投与されますが、自己注射で投与することも可能で、針刺し事故防止のためのニードルガード付きプレフィルドシリンジが採用されています。

 皮下注射製剤は点滴静注製剤に比べ短時間で投与できることと、自己注射により在宅で治療できることを特長とします。今後、抗IL-6レセプター抗体トリシズマブ(商品名アクテムラ®)と同様に、患者さんのリウマチの状態と生活スタイルに合わせて、皮下注射と点滴静注の投与経路の選択が可能になります。なお、オレンシア®皮下注125mgの薬価ならびに院内での採用は未定です。


骨粗鬆症治療剤デノスマブ(プラリア®)皮下注60mgシリンジ承認のお知らせ 

 破骨細胞において重要な役割を果たしているRANKリガンドに対するヒト型モノクローナル抗体であるデノスマブは、「多発性骨髄腫及び固形癌骨転移による骨病変」に対してランマーク®皮下注120mgの商品名で使用されてきましたが、この度、新しい作用機序を持つ「骨粗鬆症」の治療薬としてプラリア®皮下注60mgシリンジ(製造販売:第一三共)の商品名で承認されました。プラリア®は6カ月に1回、60mgを皮下注射で投与します。プラリア®皮下注60mgシリンジの薬価は28,482円で、大学病院では近日中に採用予定です。また、デノスマブによる低カルシウム血症を予防する目的でカルシウム・天然型ビタミンD3・マグネシウム配合剤であるデノタス®チュアブル配合錠(製造販売:日東薬品工業、販売:第一三共、薬価20.90円/錠、用法・用量:通常1日1回2錠を内服)も承認されています。


リセドロネート月1回製剤 (ベネット®/アクトネル®錠75mg)の採用のお知らせ

 骨粗鬆症の治療薬であるリセドロネート(商品名ベネット®、製造販売:武田薬品/商品名アクトネル®、製造販売:エーザイ)は、従来、毎日あるいは週1回内服する必要がありましたが、本年2月末に、月に1回の内服で同様の効果がある月1回製剤(マンスリー製剤)が発売されました。リセドロネートのマンスリー製剤(75㎎)は2945.50円/錠(1日薬価約98.20円)で、ウィークリー製剤(17.5mg)の711.40円/錠(1日薬価約101.60円)、ディリー製剤(2.5㎎)の113.20円/錠(1日薬価113.20円)と比較して若干薬価が下がっています。大学病院では院外処方でのみ採用されましたので、マンスリー製剤への変更をご希望の患者さんは主治医までご相談ください。


タクロリムス(プログラフ®)後発医薬品発売のお知らせ

 抗リウマチ薬タクロリムス(プログラフ®)の初めての後発医薬品(ジェネリック医薬品)として、タクロリムスカプセル0.5mg・1mg「ファイザー」が発売されました。タクロリムスカプセル0.5mg・1mg「ファイザー」の薬価は、各々325.70円・575.30円/カプセルと、先発品と比較して約70%の薬価になっています。


整形外科外来看護スタッフのお知らせ(修正)

 小林整形外科外来副看護師長、井上看護師、平松看護師、内山看護師、渋沢看護師の5名で整形外科外来を担当していますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。


休診のご案内

以下の三浦准教授の外来を、研究会のために休診させていただきますので、ご了承のほどよろしくお願いします。

7月10日(水) 午後 リウマチ外来  代診:前田先生

7月11日(木)リウマチ生物製剤外来 代診:なし


整形外科リウマチ教室のご案内

 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。

 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。

 講演後に、限られた時間ですが、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。

 さて、7月は、栄養管理部の脇田管理栄養士から、関節リウマチ患者さんの食事療法に関する講演を予定しています。スタッフ一同、皆様の参加を心からお待ちしております。


整形外科リウマチ教室のスケジュール(2013年7月-2013年9月)

日時:2013年7月25日(木)午後1時-2時

会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)

演題:「リウマチの食事療法のポイント」 

講師:栄養管理部 脇田 久美子 管理栄養士 

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2013年8月29日(木)午後1時-2時30分(時間が異なります)

会場:神緑会館1階多目的ホール

演題:「リウマチ患者さんと家族のおしゃべり会」

講師:整形外科外来 小林 久美子 副看護師長及び看護部スタッフ

司会:三浦 靖史 准教授


日時:2013年9月26日(木)午後1時-2時 

会場:神緑会館1階多目的ホール ♫ ♬

演題:「健康と音楽」 

講師:東京工科大学医療保健学部 山崎 郁子 教授 ♪ ♫

司会:三浦 靖史 准教授


神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ


熱中症対策は大切ですがエアコンによる冷やしすぎにもご注意くださいね。


リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。

連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛

発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2013.7.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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