第83号(2011年10月号[11/10/1発行])
肥満解消の食生活のポイント
実りの秋を迎えて食べ物がとても美味しくなるこの時期、ついつい食べ過ぎてしまい、ウエストサイズが気になる患者さんもおられるのではないでしょうか。そこで、9月のリウマチ教室で栄養管理部の三ヶ尻管理栄養士に教えて頂いた肥満解消の食生活の5つのポイントを皆様にお伝えしたいと思います。
① 決まった時間に食べる
② ゆっくり良く噛んで食べる
③ 料理を作りすぎない
④ 低エネルギー食品を利用する
⑤ うすい味付けにする
以上のシンプルなポイントなら、実行できそうではないでしょうか。なお、食事についてもっと知りたい、自分なりにしているがなかなか上手くいかないという患者さんは、管理栄養士による栄養相談を受けてみられてはいかがでしょうか。栄養相談を希望される場合には主治医まで遠慮なくお申し出ください。
ゴリムマブ(シンポニー皮下注50mgシリンジ®)薬価決定のお知らせ
6剤目の抗リウマチ生物学的製剤として、当科で第3相治験を行いましたヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤ゴリムマブ(シンポニー皮下注50mgシリンジ®、ヤンセンファーマ・田辺三菱製薬)の薬価が142,184円に決定しました。ゴリムマブの用法・用量は、メトトレキサートを併用する場合は、通常50mgを4週に1回、メトトレキサートを併用しない場合は、通常100mgを4週に1回皮下注射します。年間薬価は1,848,392円(50mg/回)、あるいは3,696,784円(100mg/回)です。エタネルセプト(エンブレル®)やアダリムマブ(ヒュミラ®)と異なり、自己注射は認められていません。現在、院内での採用手続きを準備中ですので、処方可能になり次第、リウマチだよりで皆様にお知らせする予定です。
ミノドロネートマンスリー製剤(ボノテオ錠50mg®) 薬価決定のお知らせ
骨粗鬆症に対する第3世代ビスフォスフォネート製剤であるミノドロネート(ボノテオ®、アステラス製薬)の、月に1回(正確には4週間に1回)内服すれば良いマンスリー製剤(50mg錠)の薬価が3,433.40円に決定しました。こちらも採用手続きを準備中です。
バゼドキシフェン(ビビアント錠20mg®)の長期処方が可能になりました
ラロキシフェン(エビスタ錠60mg®、中外製薬)と同様の「閉経後骨粗鬆症」の治療薬である選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)として、昨年10月に発売されたバゼドキシフェン(ビビアント錠20mg®、ファイザー)が、今月から長期処方が可能になりました。なお、SERMは、女性ホルモンであるエストロゲンと同様に骨を強くする作用を持ちますが、乳癌リスクの上昇などのエストロゲンの副作用を持たないと考えられています。また、SERMはビスフォスフォネート製剤と異なり、服用に際して食事の影響を考慮する必要がないという優れた特性を持っています。
新規生物学的製剤治験のご案内(再掲)
整形外科リウマチ診療部門では、現在、国際共同で開発が進められている新規抗リウマチ生物学的製剤の治験を行っております。新しい薬を世に送り出すために、「薬の候補」が持つ、人における効き目(有効性)と副作用(安全性)を調査する「臨床試験」のうち、厚生労働省から「薬」としての承認を得るために行われる試験を、特に「治験」と呼びます。今回、治験の3段階の最後に当たる第3相試験が行われている生物学的製剤は、海外では関節リウマチと同じく膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスの新しい治療薬として米国で本年承認されたベリムマブと同様に、主にBリンパ球に作用するBAFFというサイトカインに対して特異的に結合する抗体製剤で、関節リウマチに対しても高い有効性が期待されています。
製薬会社と医療従事者だけが頑張っても、新しいリウマチ薬を誕生させることは決してできません。リウマチ患者さんやご家族の協力があって、初めて可能になります。治験に際しては、より一層の安全性の確保と、経済的負担の軽減、さらには、効果が不十分な場合の対策などに様々な配慮がなされています。皆様のご協力をいただけましたら幸いです。
治験への参加に興味をお持ちになられた患者さんは、是非、主治医までお声掛けいただけますように、お願い申し上げます。なお、治験に参加いただくには、一定の条件を満たす必要がありますので、せっかく、お申し出を頂いても、ご参加いただけない場合もありますので、その際はどうかご了承ください。
外来休診のお知らせ
アメリカリウマチ学会に出席のため、以下の三浦准教授の外来を休診とさせていただきますので、ご了承くださいますようにお願いします。
11月9日(水):リウマチ外来(代診:福田医師)・10日(木):リウマチ生物製剤外来(代診:なし)
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科リウマチ診療部門では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。皆様の参加を心からお待ちしております。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできません。リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ、かかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、10月のリウマチ教室では、昨年好評を頂いた音楽療法を再度企画しました。東京から音楽療法士の山崎郁子先生をお迎えして、神戸大学医学部保健学科の学生さんの演奏による、歌と講演による楽しい教室を予定しています。なお簡単なアンケートを実施予定ですので、ご協力頂けましたら幸いです。11月は、三浦准教授による関節リウマチの新薬と現在開発中の治験薬に関する講演を予定しています。皆様のご参加を心からお待ちしております。
2011年10月-2012年1月の整形外科リウマチ教室の予定
日時:2010年10月27日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「健康と音楽」
講師: 東京工科大学医療保健学部 山崎 郁子 教授
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2011年11月24日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「新薬と治験について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
*12月は年末につき大学病院でのリウマチ教室はお休みです
日時:2012年1月19日(木) 午後1-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「2012年リウマチ治療の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
第7回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
関連病院である神戸海星病院との共催で、4ヶ月毎に土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院での平日のリウマチ教室に参加することが困難な皆様は、こちらにご参加ください。
日時:2011年12月10日(土)午後2時-4時30分 (午後1時30分開場)
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:リハビリテーション、介護保険制度、予防接種に関する話題など
司会:神戸大学保健学研究科・整形外科 三浦 靖史 准教授
参加費は無料ですが、定員がありますので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部 電話:078-871-5201
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療部門宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療部門© 発行日:2011.10.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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