第82号(2011年9月号[11/9/1発行])
朝夕はやや涼しくなってきたものの、厳しい残暑が続いておりますが、皆様、体調はいかがでしょうか。溜まってしまった夏の疲れから早く回復できますように、ビタミンが多く含まれたバランスに優れた食事と十分な睡眠をとっていただきますようにお願いします。また、8月下旬から救急搬送される方は徐々に減って来ていますが、引き続き熱中症の危険は続いておりますので、高齢の方は特にご注意いただき、十分な水分摂取などの対策を行っていただきますようにお願いします。
台風対策は万全ですか?
9月に入ってすぐに大型の台風12号が日本に接近してきました。例年、県内でも台風による被害が生じていますので、緊急時の避難場所と避難経路の確認、懐中電灯やラジオ、非常食などの防災用品の点検を、改めて実施していただけますようにお願いします。また、悪天候により受診予約日に通院できない場合もありますので、リウマチの治療薬と他に常用されている薬を、少なくとも1週間分は予備として持つようにして下さい。予備の薬をお持ちでない場合には、主治医にご相談ください。なお、予備の薬は常に新しい薬と入れ替えて頂き、避難時にすぐに持ち出せるように、ポーチなどに入れて手元に保管してくださいますようにお願いします。
新規生物学的製剤治験のご案内(再掲)
整形外科リウマチ診療部門では、現在、国際共同で開発が進められている新規抗リウマチ生物学的製剤の治験を行っております。新しい薬を世に送り出すために、「薬の候補」が持つ、人における効き目(有効性)と副作用(安全性)を調査する「臨床試験」のうち、厚生労働省から「薬」としての承認を得るために行われる試験を、特に「治験」と呼びます。今回、治験の3段階の最後に当たる第3相試験が行われている生物学的製剤は、海外では関節リウマチと同じく膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスの新しい治療薬として米国で本年承認されたベリムマブと同様に、主にBリンパ球に作用するBAFFというサイトカインに対して特異的に結合する抗体製剤で、関節リウマチに対しても高い有効性が期待されています。
製薬会社と医療従事者だけが頑張っても、新しいリウマチ薬を誕生させることは決してできません。リウマチ患者さんやご家族の協力があって、初めて可能になります。治験に際しては、より一層の安全性の確保と、経済的負担の軽減、さらには、効果が不十分な場合の対策などに様々な配慮がなされています。皆様のご協力をいただけましたら幸いです。
治験への参加に興味をお持ちになられた患者さんは、是非、主治医までお声掛けいただけますように、お願い申し上げます。なお、治験に参加いただくには、一定の条件を満たす必要がありますので、せっかく、お申し出を頂いても、ご参加いただけない場合もありますので、その際はどうかご了承ください。
外来スタッフ交代及び診療待ち時間に関するお知らせ
廣川看護師が退職され、8月から内山看護師が新たに整形外科外来に加わりました。また、7月から吉田医療秘書が水曜日の三浦准教授の診察を補助していますので、小林副看護師長、小坂看護師ともどもよろしくお願いします。なお、医療秘書のおかげで医師のコンピューター入力が少なくなり、診察に集中できるため、水曜日のリウマチ外来の診察待ち時間は随分と改善しています。そこで、午後の予約時間の患者の皆様は、予約時間に大きく遅れることなく受診していただきますようにご協力をよろしくお願いいたします。
外来休診のお知らせ
以下の三浦准教授の外来を休診とさせていただきますので、ご了承くださいますようにお願いします。
9月14日(水):リウマチ外来(代診:福田医師)・15日(木):リウマチ生物製剤外来(代診:なし)
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科リウマチ診療部門では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。皆様の参加を心からお待ちしております。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできません。リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ、かかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、9月のリウマチ教室では、栄養管理部の三ヶ尻管理栄養士による、食事療法に関する講演を予定しています。10月は、昨年好評を頂いた音楽療法を再度企画しました。音楽療法士の山崎郁子先生をお迎えして、神戸大学医学部保健学科の学生さんの演奏による、歌と講演による楽しい教室を予定しています。どちらの教室にも是非ご参加下さい。皆様の参加を心からお待ちしております。
2011年9月-12月の整形外科リウマチ教室の予定
日時:2011年9月29日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「食事療法のワンポイントアドバイス」
講師:栄養管理部 三ヶ尻 礼子 管理栄養士
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2010年10月27日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「健康と音楽」
講師: 東京工科大学医療保健学部 山崎 郁子 教授
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2011年11月24日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「新薬と治験について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
*12月は年末につき大学病院でのリウマチ教室はお休みです
第7回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
関連病院である神戸海星病院との共催で、4ヶ月毎に土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院での平日のリウマチ教室に参加することが困難な皆様は、こちらにご参加ください(先月号の案内から開催日と会場が変更になりましたので、ご注意ください)。
日時:2011年12月10日*(土)午後2時-4時30分 (午後1時30分開場) *1週間早くなりました!
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:リハビリテーション、介護保険制度、予防接種に関する話題など
司会:神戸大学保健学研究科・整形外科 三浦 靖史 准教授
参加費は無料ですが、定員がありますので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部 電話:078-871-5201
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