第78号(2011年5月号[11/5/1発行])
腸管出血性大腸菌による食中毒にご注意下さい
4月30日の報道によると、富山県の飲食店で生肉(ユッケ)を食べたお客さんに腸管出血性大腸菌による食中毒が集団発生しました。病原性大腸菌の一群であるO157、O26、O111などのベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌による食中毒は、主に加熱処理が十分でない牛肉を介して感染すると考えられています。腸管出血性大腸菌感染症の症状は、多くの場合、3~5日の潜伏期を置いて、激しい腹痛を伴う水様便を繰り返した後に血便を呈します。さらに、溶血性尿毒症症候群や脳症などの合併症が生じると、生命に危険が及ぶ事態となることもあります。
そこで、腸管出血性大腸菌感染症を避けるためには、
① レバーなどの牛内臓や牛肉を生で食べることを控える
② 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅するので、牛内臓や牛肉を調理する際には中心部までよく加熱する
③ 乳幼児、高齢者、免疫力が低下している人では、死亡に至る重症になることがあるので、生や加熱不十分な牛内臓や牛肉を食べさせない、ことが大切です。
腸管出血性大腸菌感染症は冬季にも見られますが、夏季には特に多く発生しますので、これからの時期はくれぐれもご注意ください。詳細については国立感染症研究所感染症情報センターのホームページをご参照ください。
日本リウマチ友の会のご案内
リウマチ患者さんにより1960年に設立された日本リウマチ友の会は、 新薬の早期承認、専門病院の拡充、患者さん同士の交流や情報交換などに、大きな役割を果たしてきました。神戸大学整形外科は、以前より、友の会の兵庫支部の活動を積極的に支援しています。近年、インターネットなどでリウマチに関する情報を簡単に入手することができますが、その中身は玉石混淆です。友の会の会誌「流(ながれ)」は、リウマチ専門医が患者さん向けに寄稿している雑誌で、療養に非常に役立ちます。現在ご加入でない皆様は、新年度となりましたことをきっかけに、是非、友の会への加入を検討ください。入会案内は、整形外科外来にも用意しておりますので、必要な方は、主治医あるいは看護師にお声かけください。
問い合わせ先:社団法人 日本リウマチ友の会 電話番号:03-3258-6565
住所:〒101-0047東京都千代田区内神田2-7-7 新内神田ビル3階(月-金 9:30-16:30 土・日・祝日休)
乾癬治療薬ウステキヌマブ(ステラーラ®)承認のお知らせ
新しい作用機序を持つ生物学的製剤であるウステキヌマブ(商品名ステラーラ®、ヤンセンファーマ社)が、乾癬(尋常性乾癬、関節症性乾癬)の治療薬として本年3月に承認されました。ウステキヌマブは、完全ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体であり、乾癬の発症と悪化に関与するサイトカインであるインターロイキン12(IL-12)とインターロイキン23(IL-23)の共通の構造であるp40蛋白質に特異的に結合することにより、IL-12とIL-23の働きを選択的に抑制して乾癬の症状を改善します。現在、院内での使用開始手続きを進めておりますが、処方が可能になりましたら速やかにお知らせしますので、今しばらくお待ちください。
診療開始時間変更のご案内
六甲キャンパスでの講義のために、以下の日程のリウマチ生物製剤外来(三浦准教授)の開始時刻を変更させていただきます。木曜日に受診の皆様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解頂けますようにお願いいたします。
6月16日(木)および 6月23日(木)の リウマチ生物製剤外来: 11時診察開始(通常9時)
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科リウマチ診療部門では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。皆様の参加を心からお待ちしております。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできません。リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ、かかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
さて、5月のリウマチ教室では、三浦准教授から関節リウマチや変形性関節症の患者さんの、股関節や膝の痛みを軽くして歩く能力を飛躍的に改善することができる人工関節手術の話を中心に、関節リウマチの対する様々な手術療法について、実際に手術に使用する人工関節を手にとって頂きながら講演させていただきます。6月は、リハビリテーション部の井上理学療法士から、リウマチへの運動療法の効果に関する講演を予定しております。皆様、お誘いあわせの上、是非ご参加下さい。
2011年5月-7月の整形外科リウマチ教室の予定
日時:2011年5月19日(木) 午後1-2時(第3週です)
会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)
演題:「リウマチの手術」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
日時:2011年6月30日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチに対する運動の効果:海外における取り組み」
講師:リハビリテーション部 井上 順一朗 理学療法士
司会:三浦 靖史 准教授
日時:2011年7月28日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「介護保険と在宅医療について」
講師:患者支援センター 塩川 ゆり 看護師
司会:三浦 靖史 准教授
第6回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
関連病院である神戸海星病院との共催で、4ヶ月毎に土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院での平日のリウマチ教室に参加することが困難な皆様は、こちらにご参加ください。
日時:2011年7月23日 (土) 午後2時-4時30分 (午後1時30分開場)
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:薬剤師、理学療法士と、リウマチ医による講演を予定しています(次号で詳細を発表します)
参加費は無料ですが、定員60名ですので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部 電話:078-871-5201
翌月のリウマチだよりはこちら
リウマチだよりのリストに戻る
神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)