食中毒に気をつけましょう
梅雨も本番となり、気温も湿度もうなぎ登りです。リウマチ患者の皆様は、湿気により症状が悪くなりやすい時期ですので、体調管理に努めていただくようにお願いします。さて、体調と同時に、この時期に十分に気をつけて頂きたいことは、食中毒の予防です。食中毒は、飲食店や仕出し弁当での発生がしばしば報道されますが、家庭での毎日の食事でも発生しています。ただし、家庭では、食中毒の症状が軽い場合が多く、かつ、発生する人数も限られていることから、風邪や寝冷えなどの症状と誤解されがちで、そのため、食中毒と気づかれずに重症化しまうこともあります。特に免疫抑制剤による治療を受けている場合には、より一層の注意が必要なのは言うまでもありません。
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」で、この三原則を実施するために、厚生労働省から「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」が公表されていますので、要約して掲載させていただきます。
(1)食品の購入
・生鮮食品は新鮮な物を、消費期限などが表示されている食品は表示を確認して購入する
・肉や魚などは、水分がもれないようにビニール袋に分けて包む
・冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品は、買い物の最後に購入し、まっすぐに帰宅して持ち帰る
(2)食品の保存
・冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
・冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない
(3)料理の下準備
・台所のタオルやふきんは清潔なものを使用する
・包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で洗う
(4)調理
・加熱して調理する食品は十分に加熱する
・途中で調理をやめるときは、冷蔵庫に入れ、再び調理をするときは、十分に加熱する
・調理前の食品や調理後の食品を、室温に長く放置しない
(5)食事
・食卓に付く前に手を洗い、清潔な手で、清潔な器具を用いて、清潔な食器に盛りつける
(6)残った食品
・残った食品は早く冷えるように、浅い容器に小分けして保存する
・時間が経ち過ぎたら、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って食べずに捨てる
以上のとおり、くれぐれも油断のない対策をお願いします。
風邪をひいたらリウマトレックス®は休みましょう
メトトレキサート(リウマトレックス®)で治療を受けている患者さんが、風邪ををひいてしまった場合には、必ずお近くのかかりつけ医を受診するとともに、風邪が治るまで、リウマトレックス®の内服を休んでください。リウマトレックス®は免疫抑制剤であるため、リウマチだけでなく、病原体に対する抵抗力も抑えてしまうので、風邪を治りにくく、かつ、こじらせて肺炎などに、なりやすくしてしまいます。リウマトレックス®を休んでも、リウマチの症状はすぐには影響を受けませんので、風邪が治るまでの1-2週間は、必ず、内服を休むようにお願いします。
整形外科リウマチ教室のご案内
整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さんとご家族、医療・教育関係者の方々もご参加いただけます。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。繰り返し参加されている皆様は、患者相互や、患者と医療従事者の交流の場としても教室を活用されておられますが、どなたでも気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできません。リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での治療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ、かかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
7月のリウマチ教室では、免疫内科の笠木伸平先生より、リウマチの薬物療法に関する講演をして頂く予定にしています。 皆様の参加を心からお待ちしております。
今年後半の整形外科リウマチ教室の予定:
日時:2010年7月22日(木) 午後1-2時 会場:外来診療棟4階第2会議室 (第4週で会場も異なります)
演題:「関節リウマチの薬物療法2010」
講師:笠木 伸平 先生 (臨床病態免疫学講座 特命助教) 司会:三浦 靖史 准教授
日時:2010年8月26日(木) 午後1-2時30分 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチ患者さんと家族のおしゃべり会」
講師:川島 良子 整形外科外来看護副師長及び看護部スタッフ 司会:三浦 靖史 准教授
日時:2010年9月30日(木) 午後1-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「健康と音楽」
講師:山崎 郁子 教授(東京工科大学医療保健学部) 司会:三浦 靖史 准教授
日時:2010年10月28日(木) 午後1-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「関節リウマチと装具」
講師:村田 恭子 義肢装具士(澤村義肢製作所)司会:三浦 靖史 准教授
日時:2010年11月25日(木) 午後1-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「冬を健康に過ごすために」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
*12月は年末につきリウマチ教室はお休みです
第3回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
関連病院である神戸海星病院との共催で、4ヶ月毎に土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院での平日のリウマチ教室に参加することが困難な皆様は、こちらにご参加ください。
日時:2010年7月3日(土) 午後2時-4時30分 ( 午後1時30分開場 )
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:
「リウマチと骨粗鬆症」 三浦 靖史 准教授
「リウマチのお薬のポイント(2):骨粗鬆症の薬について」神戸海星病院 薬剤部 濱名 則子 管理薬剤師
「身体の上手な使い方(3):関節の保護」神戸海星病院 リハビリテーションセンター 阿部 渉 理学療法士
「リウマチ患者さんが使える医療制度」神戸海星病院 地域医療連携部 来栖 由季 医療ソーシャルワーカー
参加費は無料ですが、定員60名ですので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部 電話:078-871-5201
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)