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神戸大学工学研究科応用化学専攻 神戸大学大学院工学研究科工学部 |
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特徴: 私達の研究グループでは、積極的に応用化学他研究グループおよび他研究科(医学研究科、理学研究科等)との交流を図り、研究・教育における相乗効果を生み出しています。下記は、研究テーマの部分的な紹介ですが、様々な形での他研究グループとの共同研究が多いです。 1. 独自の界面活性剤型および非界面活性剤型超分子ゲル化剤通常ゲルは高分子で作りますが、近年小さな分子(低分子)でもゲル化能を有するものが存在することがわかってきました(超分子ゲル)。分子量の小さなゲル化剤が自発的に集合し(自己組織化、細胞のような)、ナノファイバーを形成することで、高分子のように振る舞い、液体をゲル化します。我々は、現在世界最低濃度でゲル化可能なオリジナルの低分子ゲル化剤の開発に成功しております(右図).この低分子ゲル化剤は、合成が容易なこと、分子デザインしやすいことから、新たな機能を付与して、培養担体や反応場に利用可能な低分子ゲル開発を目指しています.最近では、 ・ガン細胞に応答して水をゲル化するゲル化剤 ・ガン細胞に対して毒性を示すゲル化剤 ・イオン液体や水、有機溶媒をゲル化可能なゲル化剤 などの開発に成功しております。これらは新たな医薬品、液体ハンドリング技術、あるいは次世代電池材料として利用可能であると考えています。 keywords: 有機合成、自己組織化、酵素反応、タンパク質、ペプチド、細胞、ボトムアップナノテクノロジー ![]() ![]() Yamamoto et al., Biomacromolecules, 22, 6, 2524-2531 (2021). Restu et al., Mater. Sci. Eng. C 111, 110746 (2020). Restu et al., Langmuir 34, 8065-80742 (2018). Nishida et al., Angew. Chem. Int. Ed. 56, 9410-9414 (2017). Kataoka et al., ACS Appl Mater Interfaces 7, 23346–23352 (2015). Tanaka et al., J. Am. Chem. Soc.. 137, 770-775 (2015). Ishioka et al., Soft Matter 10, 965-971 (2014). ![]() Minakuchi et al., Langmuir 28, 9259−9266 (2012). Koda et al., Chem. Commun., 46, 979-981 (2010). 2.合成高分子の単純塗布による材料表面機能化
私たちにとって物質表面・材料表面は非常に大きな意味を持っています。触る、濡れる、ぶつかる、閉じ込める等々、ほとんどの物理現象においてあるいは生活において表面が重要な役割を担っております。そこで私たちはこの表面の物性(物理的・化学的特性)を任意にコントロールする技術の開発を行っています。ここでは、具体的に私たちが合成した特殊な高分子を”塗る”だけで材料表面の物性を制御することを目指しています。これにより、汚れない表面や、触媒機能を持った表面、分子を認識可能な表面の作製(分離・分析に応用)が可能となります。keywords: 表面化学、高分子合成・加工、分子認識、タンパク質、DNA、濡れ性・撥水性 Miayahara et al. Colloid Polym. Sci. 297, 927-931 (2019). Sakai et al. RSC Adv. 9, 4621-4625 (2019). Hara et al. Polymer J. 51, 489-499 (2019). Nishimoriet al. Langmuir 34, 6396–6404 (2018). Iguchi et al. FlatChem 8, 31-39 (2018). Iguchi et al. Sci. Rep. 7, 39937(2017). Yamamoto et al. Langmuir 31, 125-131 (2015). Shimomura et al. Langmuir, 29, 932-938 (2013). 3. 低分子の自己組織化による生化学的新機能の創出上述の超分子ゲル化剤の研究を基に、我々は多数の分子が集まって、自己組織化すると新たな生化学的機能を発揮することを見出しました。特に、酵素の新規阻害剤開発やペプチド同士の新たな相互作用を見出し、これらが医薬品につながると期待しています。私たちは化合物に主眼を置いています。私たちが開発した、比較的単純な合成分子が多数集まり、自己組織体を作ることで新たな薬理活性を発現可能であることを世界に提案したいです。![]() 4.分離機能を有する新しい界面活性剤の開発界面活性剤は、洗剤等で既に身近な存在ですが、我々は”洗う”以外の全く新しい機能を有する界面活性剤を開発しております。たとえば分離機能を有する界面活性剤が右図です。DNAをその塩基配列に基づき分離可能なDNA界面活性剤や、分離膜に埋め込むことにより、タンパク質分子種を分離可能にする界面活性剤の開発を行っております。これにより、酵素により生産させたRNAの分離や、組み換え大腸菌に生産させたタンパク質を非常に高純度で分離精製することに成功しております。これらは工業的な次世代バイオテクノロジーに応用可能な、基盤技術の開発です。![]() ![]() keywords: 界面化学、有機合成、タンパク質、DNA、RNA、分子認識、高分子加工、ナノ材料、生体高分子 Maruyama et al., Chem. Commun. 53, 5802-5805 (2017). Kato et al, RSC Adv. 4, 57899-57902 (2014). Honjo et al., Anal Biochem., 434, 269-274 (2013). Maruyama et al. RSC Adv., 2, 125–127 (2012). Maruyama et al., Chem. Commun., 4450-4452 (2007). 5.エレクトロスピニング・スプレーを利用した複雑マイクロ構造体の開発エレクトロスプレー・スピニング(静電紡糸)を用いて、高分子あるいは無機材料からなるマイクロカプセルやジャイアントベシクル、マイクロファイバーの開発を行っております。マイクロカプセルは、芳香剤、医薬品、農薬、バイオリアクターなどの分野で利用されます。我々は世界的も珍しい、ショートミクロファイバーの作成に成功し、しかも界面あるいは表面を化学的に機能化させることで、右に示したような、ミクロの世界にレゴブロックもどきを作り出すことに成功しております。今後、電子デバイスや光学材料の分野での応用が期待されます。 Matsuura et al., Colloid Polym. Sci. 295, 1251-1256 (2017). Matsuura et al., Colloids Surf. A 526, 64-69 (2017). Funasaki et al. Colloid Polym. Sci. 292, 3049-3053 (2014). Yunoki et al., ACS Appl. Mater. Interfaces 6, 11973–11979 (2014). Maruyama et al. RSC Adv. 2, 11672–11674 (2012). Fukui et al. Colloids Surf. A 370, 28-34 (2010). ![]() 6. タンパク質性バイオマスを用いた貴金属のリサイクル希少金属資源の確保が国家戦略の柱となってきています。我々はタンパク質が貴金属やレアメタルを識別可能であることを発見し、安価なタンパク質含有バイオマス(おから、卵殻膜(右図)等の食品廃棄物)を利用した環境に優しいレアメタルリサイクル技術の開発を行っています。Maruyama, et al., Process Biochem. 49, 850-857 (2014). Maruyama et al., Environ. Sci. Technol. 41, 1359-1364 (2007). Maruyama, et al., J. Colloid Interf. Sci. 447, 254–257 (2015). |